NTTデータ経営研究所から「企業活動におけるソーシャルメディアの活用状況」に関する調査がリリースされていました。

面白い結果がでているのですが幾つか引用をさせていただきます。

ソーシャルメディア導入の実態としては、導入済み企業が全体の約2割、未導入かつ今後も導入を検討していない企業が全体の約6割を超え企業におけるソーシャルメディアの活用は黎明期にある。
業種別にみると、BtoCの企業は既に導入が進んでおり、BtoBの企業は現時点での導入は少なく、今後導入が進むことが予想される。
販売チャネルとして、Webサイト(ECサイト)との親和性が高いだけでなく、O2O(Online to Offline)の潮流に即して実店舗を保有する場合にもソーシャルメディア導入が進んでいる。
ソーシャルメディア以外の他の顧客チャネル(コミュニケーションチャネル)を保有している場合には、ソーシャルメディアを導入する傾向が高く、クロスメディアの活用が進んでいる。

業界に顔を突っ込んだりアンテナを立てていると皆が導入しているような
印象をニュースなどからは受けますが実際はまだまだという事ですね。

続いて成功していると判断されている企業の分析です。

ソーシャルメディア導入の成功企業は、
「顧客データ連携システム(ソーシャルCRM)の構築」(87%)
「複数組織による緊密な連携・共同運用」(85%)
「部門長レベル以上(「経営層(社長、役員)レベル」
「管理職(部門長)レベル」)での意思決定」(50%)
「適切な研修・訓練の実施」(85%)
「ガイドライン・ルールの策定」(90%)
「業務プロセス・意思決定プロセスの改定」(57%<業務プロセスを簡素化、担当者に権限移譲>)
「専門的な外部人材の活用」(71%<全部もしくは一部を外部委託>)
など各項目への回答割合が失敗企業に比べ高いことが分かった。
クリック数などの表面的なKPI指標のみではない経営視点での戦略的な目標管理やクロスメディア戦略の実行も成功要因の1つと捉えることができる。
ソーシャルメディアを活用したマーケティングモデルの設計に当たっては、単なるメディア活用という枠を超えて
メディアの特性を理解したマーケティングモデル全体の再構築が要件となるといえる。

反面失敗したととらえている企業の分析は

ソーシャルメディア導入の失敗企業は
「顧客データ連携システム(ソーシャルCRM)の構築」(58%)
「部門長レベル以上(「経営層(社長、役員)レベル」、「管理職(部門長)レベル」)での意思決定」(43%)
「適切な研修・訓練の実施」(49%)、「ガイドライン・ルールの策定」(59%)
「業務プロセス・意思決定プロセスの改定」(38%<業務プロセスを簡素化、担当者に権限移譲>)
「専門的な外部人材の活用」(50%<全部もしくは一部を外部委託>)
など各項目への回答割合が成功企業に比べ低いことが分かった。
業務プロセス・意思決定プロセスの改定では「業務プロセスを簡素化」や
「担当者に権限移譲」より、「事前・事後のチェック機能を強化した」割合(58%)が
成功企業に比べて高いことから、自由闊達なコミュニケーションにより
顧客からの信頼を得るというソーシャルメディアの特性を生かし切れていない可能性も指摘できる。

読んで推察してみると自社がどういう体制と仕組みを戦略に基づいて構築していけば
成功に近づけるかそこはかとなくイメージが湧いてきませんか

まだまだこれから

新しいツールがでてくるとマーケティング理論で言うところのイノベーター理論のように
取り組み時期に関してグループが分かれてきます。
実際僕の知人の企業はどこもまだ本格的にソーシャルメディア運用は行っていません。
その理由を伺ったことがあります。その時聞かされた要因を上記の分類に当てはめてみると

    「適切な研修・訓練の実施」「ガイドライン・ルールの策定」
    「業務プロセス・意思決定プロセスの改定」
    「顧客データ連携システム(ソーシャルCRM)の構築」

に着手できない、という理由が多かったです。
この表層的な理由の要因は”人材の不足”ということに尽きるようです。

中小企業が本気でソーシャルマーケティングに取り組むには壁が高い

中小企業の場合、専任担当者を配属することが難しく兼任にならざるを得ません。
兼任とした場合経営視点での戦略的な目標管理へのコミットは非常に難しいと言えるでしょう。
また各種ツールを使いこなすことも知識とスキルが必要なため難しい問題です。
さらにいえば取得した顧客データをどうやって一元管理していくのか
という悩ましい問題も生じてきます。

csvファイルを利用して管理する—-これはなかなか難しい問題です。
だいたい中小企業の場合は
「ブランド認知目的」でソーシャル運営なんて取り組んだら
あっという間に経営資源が枯渇
してしまいますので
勢い売上に結びつくような施策をどんどん打ち出していく必要があるはずなのです。
そこでは潜在顧客データを実際の顧客データに変えていき
さらにリピータになっていただく。
この流れの計測には一元管理されたデータが必要になってくるのですが
今現在データ管理の仕組みをもっていない企業はどうすればいいのか。

こうしあたりをどうやって組織変革を行うのか、内部メンバーとコンセンサスをとるのか
人員配置をどう変化させていくのか、ジョブアセスメントについて
どういう方針で実施していくのか
そもそも本気で顧客との接点チャネルを変化させていくのかというのは
中小企業にとって大いなる決断です。
軽くやってみるか―――では前回のエントリーのような状態になる可能性の方が高いでしょう。
未だ取り組まれていない企業は
この年末に向けて今一度戦略を見直してみてはいかがでしょうか。
従来のマスメディアへの投資額と比較すれば
非常にROI高く取り組める施策なのは間違いないところなのですから。


 

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