インバウンドマーケティングを進めていくにあたって「必要なウェブマーケティングの知識とはなんだろうか」と思い当たり、インバウンドマーケティングに必要な知識を分類してみました。
今後増加していくこともあるでしょうし、現時点での備忘録的な位置づけでエントリーしておきたいと思います。

By: Geoff Stearns – CC BY 2.0
1.マーケティングという考え
以前もエントリーしましたが組織としてのマーケティングに関しての姿勢と知識がまずは必要です。
定義はひとそれぞれですが、ここではまず「売れるための仕組みづくり」をつくることをマーケティングと定義しておきたいと思います。ちなみに「組織として取り組もう!」というコンセンサスがなければ、どのマーケティングも導入できません。
(参考サイト)
日本マーケティング協会:マーケティング定義
http://www.jma2-jp.org/report/marketing.html
組織の規模やビジネスによってその定義は変化するようですが2人集まれば組織。マーケティングプラン(組織内の合意コンセンサス)をしっかり立ててビジネスを進めていくことが好ましいと思います。
マーケティング戦略=経営戦略
ストーリーとデータ分析の仕組みづくり
マクロ経済を気にするより自社の経営体質改善を最優先の戦略に据える
2.経営の知識
そもそもですが、マーケティングはどんな手法であろうと成果を図る必要があります。その成果とは事業の目的を達成するために成果を出すということであり、特定のキーワードで上位表示を達成することが目的ではありません。
マーケティングは経営戦略の一部ですから
こういったことを担当者が理解している組織と、そうではない組織では日々の取り組み方が大きく違ってきます。
3.SEO/SEMの知識
インバウンドマーケティングでは良質なコンテンツを産み出し見込顧客に見つけてもらうことがまず第一歩になります。見つけてもらうためには検索エンジンの仕組みや、検索エンジンが上位表示を行うロジック、またリスティング広告の知識も必要になってきます。
(参考サイト)
>> [PDF] Google の検索エンジン最適化スターター ガイド
>> 新規、中小企業のための 10 分でわかる検索エンジン最適化 (SEO)
4.広告に対する知識
インターネット広告全般の知識が必要になってくると思います。それは広告手法や課金方法、データ分析に関する知識だったり、或いは語句そのものを知る必要があります。また地方ならインターネット以外にエリア特化型の新聞・雑誌広告媒体の知識も必要になってくると思います。
5.ウェブサイトのデザインやシステム・ユーザビリティなどの知識
どんなサイトデザインがインバウンドマーケティングにとって適切なのか、という答えは出ていませんが「デザインに関する一定した知識」が必要になると思います。専門的なことではなくていいと思うのですが、あまりにも時代遅れなデザインであったり、ユーザにとって使い勝手の悪いユーザビリティでは見込顧客がサイトに到達しても離脱してしまうからです。
6.ソーシャルメディア関連の知識
コンテンツをリーチしていくにあたってFacebookやTwitter,Google+などのソーシャルメディアの活用は避けては通れなくなっています。
7.データ解析の知識
ウェブから出力される顧客行動データを正しく解析し、理解する。データから仮説計画を策定することや、意思決定を行うための基礎情報を作成するための知識とスキルが必須です。
アクセスログを解析するだけで相当な情報が入ってきますのでPVや参照元を見ているだけではなく、様々なデータを解析していくスキルを身につけることが必要でしょう。またインバウンドマーケティングにおいては見込顧客を育成するという観点からリードマネジメントといった概念も必要になってきます。
(参考サイト)
【連載】オンラインとオフラインで考えるリードマネジメント
Nexal の一期一会:リードとは何か、シナリオとは何なのか【中級編】
CRM連携をどうすべきか
このリードマネジメントにもデータ分析といったスキルが必要になります。色んな人が様々な解釈をされていますが、ぼく個人としてはインバウンドマーケティングはこの部分がとても重要になってくると考えています。
それはインバウンドマーケティングじゃない
現在はコンテクスト最適化を意識したうえで
これが「インバウンドマーケティングだ」といった類の情報が多いような印象があります。でもよく考えてみると、そんな単純な話ではないはずです。
日常業務に落とし込んでいけばいくほど、実際にはリード育成の部分が重要なステージであり、そのためにデータ分析のスキルとシナリオ立案のスキルが必須になってくると思います。恐らくこの部分を一番きちんと学ばなければいけないのではないかと考えています。
そういう意味では「売れている営業マンが、自然に行っている顧客マネジメントの概念」を社内に落とし込んでみると興味深いプロセスになるのではないだろうか、と思うのです。
相談できるパートナーを見つけておく
インバウンドマーケティングを導入するにあたって必要ではないかと思われる知識分野をざっと書き出してみました。各項目をより深く学んでいくには、それぞれ専門的な知識が必要になってきますが、もっと日常的なことで言えばExcelの操作であったり、データベースについてのイロハを学ばなければいけないのかもしれません。
こうしたことを書き出していくとキリがありませんが、複数人の専任ウェブ担当者やマーケティング担当者を配置できる企業はこうした知識の習得や運営を社内で完結できるかもしれませんね。
しかし1人や2人で運営されているネットショップや店舗では、すべてを自分たちで学び実践していくにはかなりの時間と労力を割くことになるでしょう。つまるところ「組織戦略をどうするのか」というところに行き着くのかもしれません。
それでも「感覚値や経験値のみに頼った運営を続けていくことのリスク」は今後益々増加していくと思うのです。単純にブログを更新し続けていって見込顧客が期待し続けるのもなかなかシビレルことでしょうしね。
インバウンドマーケティングを導入するにあたって、どこから手を付けるのか、を優先順位をつけて取り組みを開始することはもちろんの事ですが、
「外部スタッフとしていつでも聞くことができる」「手助けしてもらえるパートナーを見つけておく」
ことが中小企業にとっては重要なのかもしれません。
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