PV数、訪問数、ユニークユーザ数、ページ別のデータ、直帰率
離脱率、時間帯別訪問件数、再訪問者の離脱率、問い合わせページの離脱率
問い合わせページへの到達率、流入元別のデータ…..
アクセス解析を行う際に確認してみたいと思わされるデータ項目は本当にキリがありません。

本当に知りたいこと

全ての項目を網羅するには無理があります。
それに本当に知りたいのは結果と原因、そして対策なのです。
今までも何度か書いてみましたがウェブサイトが
自社の収益に直接であれ、間接的であれどのくらい寄与しているのか
BtoB企業の場合には、商談件数の増加にどう影響しているのかが知りたいのです。

或いはよく知られているように固定IPアドレスを解析すれば
現在商談中の見込顧客や既存顧客が自社のウェブサイトに
訪問しているかもわかる場合があります。
その場合はもしかしてウェブサイトの在り方が
商談に影響を及ぼしているかもしれません。
多くの場合担当者は必ずウェブサイトで情報を入手しようとすることは
たやすく想像できる話です。

前回のエントリーでチラっと触れていますが
ウェブサイトがあることによってどういう影響が起きているのか
そんなことを経営者は知りたいのが本音だと思います。
その上で次に何をすればいいのか、を提案してもらうこと
この事について議論し投資に関する意思決定を促していくこと
が事業を推進していくことになるわけです。
結果としてウェブ中心ではない販売促進を行う方が
好結果を生む可能性だってあるわけです。

要するに…で知りたい

結果レポートはできれば1ページで見たいものです。
私自身も経営を行っていた際に長いレポートには閉口したものです。

「結論が先に知りたい」
のです。サマリー、ダッシュボードと言い方は色々ですが
要するに・・・が知りたいのが本音です。
どう改善を行っていくのか、というデータ情報から得られた提案が知りたいのです。
そして2P目以降に記載される詳細データや分析された内容は社内グループで共有すべきもの。

ここまでくればお分かりかと思いますが
経営層やマネジメント層と現場部署、制作を担当されている方が知りたいことは案外異なっている
という事です。(共有したほうがいいことは、また別のベクトルの話)

木を見て森を見ず、森をみて木を知らず

傾向として多いなぁと思うのは
森のカタチばかりを観てきた人は木のことを知らず
木を観てきた人は森を見ることが少ない
という事です。

だからこそ現場で実務を担当する人は
・自社の事業の目的やポジショニング
・今何をキーワードとして事業が動いているのか
・商談プロセスはどのようになっているのか
・今期のミッションは何なのか
・その中で自分たちには何が期待されており
・ウェブサイトはどのような役割を持っているのか
を明確にしておくことはとても重要だと思います。

ですからインバウンドマーケティングには経営の知識/視点が重要になるのだろう
(参照:インバウンドマーケティングに必要な知識を分類してみた
と思いますし、インバウンドマーケティングにこだわらなくても
こうした視点がないと適切な企画はでないもので、とどのつまり提案も出てこないのです。
その視点の欠如が住太陽氏が感じてこられた
参照:地方のウェブ制作会社が生き残るために”>地方のウェブ制作会社が生き残るために
という問題提起がなされる背景にあるのだろうと思います。

ぼくも東京にいた頃、営業をされる側として採用広告やディスプレイ広告の
営業担当者と幾度となく打ち合わせを行う機会がありましたが
費用対効果にまで踏み込んで課題解決を提案される方
コミットメントとまではいかなくとも期待する成果=提案する内容
が合致している方は本当に少なかったように思います。
というか数十人の営業担当者とお会いしましたが、1人もいませんでしたね。

ウェブと自社事業のプロセスを一致させてみる

そもそも事業の全体像や事業プロセスを理解していないと
データを基に仮説を立てることはできない
ものです。
或いは理解しようと努めて情報を関係者、ウェブサイトなどから収集し
企画提案に反映していこうと考えてみることはとても大切なことです。
この部分がありませんと、よるべきポイントがないということですから
仮説をうまく立てたとしてもきっとそれは思い込みの数字です。

流通情報量と閲覧の関係性

そもそもなぜ理解することが仮説立案の前提になっているのか、という背景について
改めて認識をしておきたいことがあります。
まずウェブは過去とは事なり企業にとっては既にインフラになっているということです。
電話機やコピー機、デスクと同じような位置づけと考えてみると早いと思います。
それは情報流通量が爆発的に増加していることからも認識できますし
ウェブでのショッピングや仕事のやり取りが増加している状況を考慮すれば
すぐに認識できることですし、対応できていない企業にとっては
非常によろしくない事態になっているということに他なりません。

とても興味深い総務省発表の平成21年度の調査データがあります。
流通情報量は爆発的に増加しており
その中でもインターネットの伸びが突出している。
しかし平均利用時間は前年度より短くなっており減少に転じている。
ということです。
参照: 「情報流通インデックス」計量結果の公表(H21年度版)

つまり発信される情報は明らかに「流通過多」になっており
その中から情報が「届く」ことが難しい状況になっていることが分ります。
その分常に「見つけてもらえる」ようにしておくために
あらゆる手段を講じ、常に更新(古い情報の訂正も含む)を行っていくことが
重要になっているのが時代背景にあると思うのです。

これらの事柄を総括して考えていくとウェブサイトはそれ単体で完結するものではなく
組織全体のビジネスプロセスに影響するものに位置付けるべき

というのが大方の企業に当てはまる事柄だと思います。

となると”コンバージョン”と呼ばれる項目の定義も
ぜひきちんと決めておきたいところになるのではないでしょうか。
どの企業においても(重要だけれど)問合せフォームから送られる件数のみが
コンバージョンではないと思います。

組織に戦略が従うのではなく、組織は戦略に従う

KPIも同様です。例えば知名度向上が今回の目標ならば
KPIは社名をキーワードとした流入数がKPIに設定することが出来ます。
決して全体のPVだったり、エントリー数がKPIにはなりません。
過程の中で結果としてPVや問合せ数が上昇するとは思いますが
KPIに設定してその数値を追いかける必要はありません。

例えばCMで良く見かける検索ボックスに社名をいれて検索を促す広告。
この時に全体PVを取得し、PVが伸びたといってもCM効果かどうかわかりません。
この方法は以前からよく行われているありふれた手法ですが
この効果を測定するには”検索ボックスに入れてね”
促したキーワードでの流入数を把握することが重要です。

事業構造と取り巻く環境を理解し、そこにおけるウェブサイトの役割を明確にすると
自分たちの組織に影響をあたえるコンバージョンを追いかけることが
自社や自分の所属部署にとってどう具体的に有益になるのか
ということが関係者で共有され始めると
ウェブサイトが自社のビジネスにとってどのくらい重要な位置を占めているのか
ということが理解してもらえると思うのです。
この過程のなかでウェブに合わせて自社の組織体制をみ直すという戦略もあるかもしれません。
組織に戦略が従うのではなく、組織は戦略に従うのです。

こうしたことからも顧客の獲得方法や商談件数、リード率に受注率
自社にとってのビジネスキーは何か?既存顧客のリピート率はどうなっているのか
セールスに関わるプロセスキーを知る事も実はとっても大事なことです。

事業に興味をもつと景色が変わる

制作会社はここに適応していっていないことが
発注元からすれば物足りないという気持ちになってしまうのでしょうね。
でも大方の制作者やディレクター一人一人が
ビジネスフレームワークだとか会計の仕組みを学ぶわけじゃありません。
それに一見自分たちの実務には関係ないように思えるものです。
それでいうなら広告代理店にとっても同じことですし
コンサルタントも同様です。
まさか成果目標を顧客と一致させないコンサルタントがいるとは思えませんが
笑えないジョークがあります。

「成功させることなく、最もだと思えることをいうのがコンサルタントだ。
なぜなら成功させてしまうと仕事がなくなってしまう」

という話を耳にしたことがあります。
でもそれは企業のなかの人たちにとっても同じことが言えます。
違う部署のことはわからないものですし
分る事の重要性も考えていないないことが殆どです。
そして一見互いに自分にとっての正論を主張し合うことも多いものです。
立場が違えは同じものを観ていても解釈は異なるものですし
見える風景はまったく異なるものです。

これは実は経営者が社内での共有化を推進しなかった事にも一因があります。
だとすればなお更、外部のスタッフに開示できるわけがない
というジレンマももちろんあることだと思います。
だからかといって伝えていないことを理解してほしいと思うのは
ないものねだりに近いですよね。

サービス提供者に言わせれば

「どうすればそういう期待に応えることができるようになるのか」

というところなのでしょうけれど
別にビジネススクールに行って学んだりする必要はありません。
顧客の事について調べたり、書き出したり
聞いたり、整理したりすることが大切だしそもそも事業自体に
興味を持つことがまず第一歩だと思います。
ぼくが人材サービスを行っていた時に理解した事で

自分の担当している企業の事業構造や、競合のことを理解しているコンサルタントは少なくて
その逆に自社の差別化要因や事業プロセスを明確に伝えることのできる採用担当者も少ない

ということです。自分の足元は案外見えていなくって
観ようとしていないことについては、やはり観えてこないというのが現実です。

ここから一歩先にいくのならば、例えば3Cや4P、5Fや7Sについて整理するための
フォーマットを探し出してみて自分の担当している企業の事を思い浮かべながら
書き出していってみるのということも面白いと思います。
或いは自社の事を記入してみていってもいいかもしれません。

遠回りなようだけれど、こうした情報の整理をしたうえで
それぞれの背景から仮説を立てて成果を設定した提案をしてもらえることを
期待している人は案外多いんじゃないかなと思います。

無理やり必要なことをまとめてみよう

・ウェブサイトの目的は何かを確認する
・ウェブサイトを通して誰に何を提供しようとしているのか
・ウェブサイトにどういうゴールを与えているのか
・ウェブサイトからどうやってリード獲得をしているのか

 ⇒資料請求ならフォームからのエントリー数の目標があるのか
 ⇒資料ダウンロードならリード情報を獲得する仕組みと目標があるのか

この他にも企業を知る方法としては
・社名やサービス名で検索して表示される情報やイベントなどをチェックする
・同業界の動きを確認するために関連するサイトをチェックする
・競合と考えている企業のサイトを確認して明らかな差異を把握する

などといった周辺情報を得ることも大事ですよね。

そして案外皆がやっていないなぁと思っているのが
・IR情報の確認
・採用情報の確認
です。この2つには企業が抱えている課題と
課題ををどうやって解決していこうと考えているのか
を読み取るに十分な情報が開示されています。

IR情報と採用サイトから色んなことが分る

例えばIR情報は経年で確認することで事業構造の変化や
将来的な見通し、計画を読み込むことができます。
財務情報が掲載されており、また店舗展開を行っている企業なら
店舗数の単位まで掲載されていますので非常に有益な情報源です。
ここまで開示しているのは株式上場企業だけですから
制限はありますが、それでも競合とみなしている企業のことを調べたり
業界を知るにはとても有益な情報になると思います。

また採用情報には未来への計画と連動した必要としている人材像が描かれています。
ここが面白いところですが、採用情報に掛かれている文言にはある法則があり
企業風土を示唆しておりそれを読み取ることができます。

・論理的で弁別的な会社の採用情報には価値観を凝縮した言葉が並ぶ
・どちらかといえば営業的な会社には寛容的であり抽象的な言葉が並ぶ
(そのどちらでもない企業の場合は読み取ってみましょう)
挑戦、チャレンジ、成長、機会の提供、変革などはどの企業でもよく使われる言葉です。
或いは募集要項のみの掲載企業は

あまりウェブに力を入れていない
もしくは採用広告に力を入れていることがあります。
理由としては自社ウェブサイトからの応募が少ないという
過去経験から来ている状況なのだろうと推察されるのですが
逆に言えば力を入れていないから応募が来ないということにも言えるでしょう。
その分採用広告には非常に力を入れている場合はもしかすると
費用対効果が著しく高いということに悩んでいるケースもありえます。

例えがやや極端かもしれませんが
こうしたことを周辺情報から読み取って仮説として設定し
何をもって成果とすべきなのか、というテーマで
話し合ってみるのは面白いかもしれませんね。


 

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