前々回のエントリーでKGIやKSF,KPIの設定について簡略して書いてみたのですが、その部分の補足とコンテンツについてをちょっと書き足しのようにエントリーしてみたいと思います。整理中の備忘録を兼ねているので粗い面はご容赦ください。

伸ばすための要素を把握する

前回は売上高を25%前年度比で伸ばしたいという課題があると想定していました。

この場合まず着目されるのは

    1.顧客単価を25%上げる
    2.購買客数を25%上げる

のいずれかを選択するということ。(実際はこんな単純ではありませんが)

どちらかを選択することによって主となるKSFやKPIが変化します。

つまり

    1.の場合)高付加価値なサービス開発により購入単価を上げるか、リピート購入率を上昇させる施策が必要
    2.の場合)新規顧客開拓を行うか受注率を上昇させる施策が必要

となる訳です。戦術は戦略に従うものですし、組織は戦略に従うもの。これらの方針が見えてくるとサービスと連動するウェブサイトのコンテンツも当然のことながら変化するわけです。

その結果日常の業務も大きく変化しますし、必要なコンテンツをどういうリソースから、どういうクリエイティブで表現するのかという企画力の勝負に入ってきます。コンサルタントの役割は自分の鼻が見えない状態に陥っているクライアント企業のこうした課題をを整理するタスクも入ってきます。逆に言えばここが整理されていないと、次に打つべき手が見えてこない訳です。

集客、再訪問、情報獲得、継続の役割

コンテンツを大きく役割別に分類してみますと

  • A)新規顧客獲得用のコンテンツ 
  • B)リピート訪問を促すコンテンツ
  • C)リード情報獲得用のコンテンツ
  • D)購買後のサポート用コンテンツ
  • と4つに分類してみるのが手っ取り早いと思います。今の企業サイトの課題は恐らくサイトコンテンツの構成が会社概要+サービス案内に終始していることによって再訪問も期待できない、リード情報を獲得するコンテンツもない。サポートに関するコンテンツもないというパンフレットをそのまま展開しているようなウェブサイトが多いことではないかと思います。
     
    自社のサイトではどのセグメントのコンテンツが多いのかカウントしてみてはどうでしょうか。

    そして現在はこうしたコンテンツ不足を補う仕組みとしてのブログシステムが数年の雌伏を経て再び期待されているようなのですが、社長や社員あるいは広報担当者の日記に終始しているブログは長続きしないし、会社業績に貢献しがたいのは数年前のブログブームの時に体験していることではないでしょうか。メールマガジンに至ってはどのように書いていいのか判らないという企業も多いような印象です。

    ただ少なくとも上記4つくらいにはコンテンツを分類し、自社のウェブサイトには何があってないのかを把握し、その対比に基づいて最低限のコンテンツをきちんと提供していくことが顧客に対しても、見込顧客に対しても誠実であることの第一歩になるのではないのかと思うのです。

    企業としては再訪問率が高いコンテンツと、新規流入数が多いコンテンツを揃えて新規流入数から再訪問に変換される率が一定で、安定したコンバージョンを得たいというのが本音です。
     
    でもその為には智慧と労力をもっと割く必要があると感じています。特に”良質なコンテンツ“と表現されるコンテンツについては入社1-2年目の若手社員が詳細に書くことはなかなか難しい課題だと思います。となると職位が上のマネジメント層や経営陣が実務として取り掛かられるのが一番良いとは思うのですが、どうなんでしょうかね。

    目的と目標に応じて使い分ける

    ところでブログエントリーを多く行うことでトラフィックを呼び込むことができるというのは言葉のまやかしで、その内容が重要なのは言うまでもないと思います。なので煽りタイトルや記事で集客することは労力の割には成果に結びつかず、この方法は一定のCTRをキープしつつ、PVを上げて広告収益を上げるという非常に判りやすい仕組みで運営されているサイト以外意味はありません。
     
    そのためPVをKPIの最高峰に位置付けることは目安にはなるけれども、あまり意味がないと思います。勿論これからの企業ウェブサイトを運営していくにあたって編集者やライタティングのようなスキルが必要だとう考えについては現実的にコンテンツを制作する際に必ず突き当たる課題ですので非常に賛同するところです。

    KSFを分解すればKPIになる

    前述の例でいえば、その目標に対してウェブマーケティングがどう寄与できるかということを測定する指標としては

  • 集客増に結び付けるためのPV数
  • 直帰率の低減
  • サイト回遊から問い合わせフォームに到達する率
  • 問合せフォームからの離脱率の改善
  • などなど流入増加以外にも検討すべきであり、恒常的に改善を続けKPI化できるポイントはいくつもあります。
     
    解析ツールから得られる数字以外にも自社内で設定できるKPIはもっと多くあるのではないかと思いますしその設定を組織内で行うことが行動改善に繋がっていくことだと思います。

    いずれにせよKPIを正しく設定し目測可能な数字として把握し、現在の数字情報に対して改善率を設定し、改善後の数値試算を行っていけばCV率は変化するものです。その仮説の数字設定と、数字達成を行うための改善案が現実的なものなのかどうかは検討していけば自ずとわかるはずではないでしょうか。

    一度に全部!はなかなか難しい

    ただしいっぺんに各施策を行うと数字がおかしくなることは間違いありません。流入数を増加させれば直帰率は上昇するものですし、そうなると平均PVも下がるものです。
     
    ということは相対的にコンバージョン率自体も下がることになりますので、これらを補足するための指標としてROIやROASをきちんと設定する必要がでてきます。また施策によっても来週から効果がでるものと、中期的に継続した効果を出す施策と複数の手法があります。これらは施策に応じて

    どの時期にどの数字に影響がでるのか

    ということを予め関係者が共有認識としておくことが好ましいと思います。こういうことを考慮すると、前段(A)~(D)のどのコンテンツを新たに制作すべきなのか改善すべきなのか、継続更新していくべきなのか、それは静的ページでいいのか、メールマガジンなのか。或いは印刷物なのかということが噛み砕いて検討されていくのではないかと思うのです。
     
    そうすると名刺データや来店者情報を名寄せされた状態でデータ化してあるの?という基本的な部分に回帰していくはずですよね。

    目標は事業収益にどう貢献しているか

    ここまでやれば現状のデータも取れていることですし、施策も見えてきて実行後の効果測定を行いつつ改善案を出して、改善された実行計画を改めて設定し再度実行する..というサイクルに乗ってくるのです。
     
    こういった仕組みをつくっていくことが、事業の成果に繋がる事であり、その繋がりが達成できているかはKPIがどうなったのかを日常的に把握するということです。そしてKPIは複数あるわけですから、それらが達成されてることによってどのくらい事業収益に直接或いは間接に結びついたのかという最終的な目的を常に把握していく必要があるのだと思うのです。

    数字数字といっていますが、一番重要なのは顧客に対して
    どういう価値を自社が提供できているか。

    SEO的な発想にも似ていますが

      ・数字が欲しいからKPIを定めてコンテンツを作る

    のではなく
    ・達成したい何かがあり、それを伝えるためにコンテンツがあり、そのおかげで人が集まり
    再訪問してもらうことができ、それらの成果として数字がでてくる

    という出発点を忘れないようにしたいものです。そのためにKGIという設定指標があるのですから。

    道理と無理

    ところで扇の要のように提唱された概念、つまり定義というものが既に決まっているとしたら、そこから話すべきはその扇の広げ方やどこまで広げるかという展開の仕方、描かれる模様であったりとなるのではないかと思います。
    (例えがややこしくなった…)
     
    図で書いてみると↓な感じ。
    ougi
    (裏紙でみっともなくて申し訳ないです)

    そこから話が飛躍するのですが道理を無くすことを無理といいます。道理とは、理の道。道を外せば歪みが現れるものです。踏み外したことによって歪んだ体が傾き、それと同時に影も斜めに映っていきます。第三者はこの影をみて人となりを判断したり、信頼できるできないを本能的に察知しているのではないでしょうか。

    ではオオモトとなる体はどうあるべきか。どう道を歩いていくべきなのか。このことを常に考え実行していくことが肝心で「あるべき」は何に依るのかという考え方の問題になってくると思うのです。

    倫理観はどうあるべきなのかといことにも近いのかもしれません。
     
    KPIのみを追いかけていくとKPIを達成するためなら何をやってもいいという考えになりかねません。そこで重要になるのはやはりビジョンと連動するKGIだと思うのです。KPIは何の為にあるのか、ということを忘れないようにしたいものです。
    参考:PDCAがうまく回らない理由

    人が集まれば組織になる訳ですから、法人格としての在り方、姿勢も前述の体と影の関係に近いのだと思います。そこで事を為すには思想と目的が重要という考え方にが繋がってくると思うのです。少なくとも倫理観あるビジネスを展開していきたいものです。
    参考:組織は社長の器以上に大きくならない


     

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