先日ふとソーシャルリクルーティングって今どうなっているんだろう?と
思いまして色々調べてみました。

結論からいうと
実体経済にどのくらい影響が合って本当にウェブ上の人の繋がりで採用(転職)ができているのか?
ということについては正直数字データがあまりなくて判らなかったのですが、
この辺はサービス運営各社に実態数字をぜひ開示してもらえると信頼性だとか、
影響力がある程度は可視化されますので、なんとかオープンにしてもらいたいなー、と思います。

「もうソーシャルの時代だから取り組まないとだめですよ
という煽り的なマーケティングの打ち出しだけじゃなくてね。
(「友達の友達」って心理的距離感はとても繊細だから
気軽に応募できるってのは決して双方のためになっていないと思うな)

あと人材各社は自社が協力した採用活動における効果だとか
歩留まり率だとかをもっと開示したほうがいいと思う。
それなら企業名を伏せておくことができるから。
大体内密にする意味なんてないし、開示しているから絶対に事実だとは確定できないけれど
少なくとも依頼する側にすれば目安にはなるし、その%を支えている価値観だとかスタイルを
打ち出していくことがエージェントにとっては自社のスタイル明示になるわけでしょ。
あまりみんなやっていないのには、いまいち理解できん。

ところで人材サービス産業の市場規模は、売上ベースにおいて
介護、衣料品、電子部品・デバイスなどより大きく
国内で約9兆円あるそうです。

人材業界市場規模

市場規模比較

・「2020年の労働市場と人材サービス産業の役割」
(人材サービス産業の近未来を考える会)

「へぇー」なのか「ふーん」なのかは人それぞれの感想ですが
いい採用を行うという視点で考えてみるなら
ぼく個人としては企業はもう少し採用サイトを抜本的に見直した方がいいと思うのです。
いい採用を行うってことは相思相愛で入社が決定するということですね。
(入社してからの話は、採用じゃない領域に入ってくるので別の話です)

ちなみに2005年に採用サイト診断サービスってのを提供したのですが
結果的には全く採択されなかったんですよね。
それなりに面白がって稟議はあげてもらったのですが、だいたい部長から却下。
京都とか大阪からも呼ばれて営業に行ったのは苦い思い出。
(ちなみに最終的な狙いは改善案を出して採用サイトを改修すること。
目的にはそれによって変なノイズ情報を消して採用広告市場を減少させることでした)

当時から、いやもっと前から採用サイトといえば

    ・募集要項
    ・求める人材像
    ・社長もしくは採用担当者の声
    ・社員の声
    ・(○○部署の)タイムスケジュール
    ・インタビュー

が掲載されているのが定番です。これすらなくて募集要項一枚の会社もあるのですけれど。
ぼくはこれではまったくウェブ上におけるコミュニケーションになっていないな
と考えていました。

効率化だとか理解度、共感度でいうと
自社でちゃんと採用ができる体制を構築するほうが長い目でみるとベターです。
全体のなかにはエージェント経由や採用広告経由もあってしかるべきで、
採用経路の比率はどのくらいが適なのか、という課題ですが
ぼくは6割くらいが自社サイト経由で、フィルタリングを機能させた上で
採用活動を行うのが適切だと思います。

「確率を上げたいから、推薦少なくてもいいので確実な人を推薦して」

ってのは人事の期待でしょうが、そのように動いてくれるエージェントはなかなかいません。
それはコミットしにくい成果報酬という構造や、担当者の理解度、もっといえば
「どのくらいその企業の事を好きなのか」によって大きく左右されるんです。
(この辺は、エージェントとうまく付き合う方法とかでセミナーやったことあります)

だから手当たり次第に推薦状を送ってきたり、本人の希望だけで(それも怪しいけど)
面接を設定されたりされて結果的には無駄な時間を割く必要がでてくるんです。

採用広告経由の場合「みんながいってみたい人気の会社」になると、この総量は更に増加します。
問合せがない企業は広告費用が勿体ないことになるのですが、まぁ数十人は応募がきますよ。
で、効果がないというと「打ち出しを変更したりプランを上げて再出稿しましょう」
とか言われちゃうのです。

人事部は結局のところ応募総数ではなくて、内定率、入社率といったコンバージョン率(と数)
を見ているわけですし、常にここを何とかしたいと常に考えています。
であれば基本として自社でしっかりとした採用サイトを構築しておくことは必須ですよね。

しっかりというのは、自分たちの価値感は何で、何を目指しているのか
その為に具体的にどんなことをやっているのか、どういう目標があって
どんな企業文化なのかといったこと。
更にはその企業文化において、どういう思考と志向の人を求めているのか
もっといえば「こういう人は難しいです」ということを明示していくことから
スタートするんじゃないかと思います。
それも年に1回更新じゃなくて、文化面の明示ですから
できれば月1回は更新をかけたいものですよね。

何をやるかよりも、誰とやるか

という言葉は美しいものでぼくも大切にしている言葉ですが
それは選ぶ人がいて、選ばれる人もいるという事です。
さらにビジョナリーカンパニー2がいうところの「誰をバスに乗せるか」は人事のミッションの1つ。

スキルと知識と経験が合致しているとしても、企業文化を一緒につくる人を
採用する、仲間になってもらうというのはとても難しいもの
です。
中途採用の場合は、前の会社の文化を引きずってくる人も多いですから
スキルと知識と経験だけで採用を決定することはなかなかリスキーです。
また新卒の場合はスキルと知識と経験なんて皆無ですから
企業文化に一致する志向性をもっているかなどの面が重視されますよね。

そんなことを考えてみるとフィルタ機能としての位置づけ、
或いは自分たちの意思表明であると位置付けて
自社の採用サイトをしっかり構築することが
年間を通してみると採用に寄与すると思います。

サービスサイト、IRサイトがあるのなら、企業文化を伝える役割を
採用サイトに持たせてみてはどうかな、って昔から言っている。
ウェブをはじめとしてあちこちに散らかっている情報だとかをまとめてもいいと思いますし
例えばソーシャル上で広がっている自社の声をリアルタイムで掲載してみてもいいと思いますよ。

更にどうせなら、冒頭にも書いているように採用活動における効果だとか
いろんな数字情報を開示していけば透明性もでるんじゃないですかね。
人材エージェントの人もこの辺の数値って最初にヒアリングしてきますよね。
だって隠したところで入社したらすぐにわかっちゃうことです。
隠しておいて応募者を増やすと業務負担が増えて、その結果として効率は悪くなります。
つまり応募者にとっても、人事部にとってもよくないことになるんですよ。
それは持続可能な関係をつくることが出来ないからです。

入社してからの話は別って書きましたが、この辺をしっかり理解して
きちんとブレることなく取り組んでいる企業は入社してからお互いに不幸になる確率は低いです。
だって根っこのところを抑えて活動を行っているわけですからねぇ。
まさに因果は巡るってやつです。

人のために組織があるわけで、組織のために人がいるわけじゃないですからね。
組織のために~なんて発想が根っこにあるから、可視化しなかったりするんじゃないですかね。

とどのつまり、採用サイトは自社に興味をもって応募しようかどうか考えている方との
コミュニケーションチャネル
であって、だとすれば広告等の告知の場ではなくて
常に双方向であろうとするのが一番です。そして自社を擬人化してみたときに
訪問してくれた人との接点は常にパーソナルなものとして想定して
運営していくべきであると思います。

最初の段階では効率を否定して、一見非効率なことを人事部門が主導で
行っていくことになると思いますが
最終的に採用広告費用は限りなく削減されていくんじゃないの?と考えています。


 

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