ウェブ解析を行っていく際に、必ず出てくる話として以下のようなものがあります。

    ・Webサイトには必ず目標がある
    ・目標を見失ってはいけない
    ・PVや訪問数データで一喜一憂するだけではダメ
    ・サイト最適化をするべく仮説を立てること
    ・仮説に基づいた「アクション」を行う事
    ・「アクション」を行ったら、その評価をすること
    ・その「評価」に基づいて再び「仮説」を立てること

このあたりは表現方法が変っても、
多くの人が大体同じようなことを言ってます。
その他にもウェブ制作会社向けのセミナーなんかでも
作るだけじゃだめで成果を出せるコンテンツ作りをやりましょう(提案しましょう)
という話が多いです。この辺はSEOと結び付けて
話をされているところが興味深いところ。
 
SEOはもはやHTML内部施策だけでは
どうにもならないという話があるものの、
階層化の話、コンテンツの充実さ、コンテンツのユーザーへの役立ち度、
その結果の支持票としてのナチュラルリンクなどの要素が重要、
というのは本当に以前から話がでているので、
結局本質的なところは大きく変化していないんじゃないでしょうか。(原点回帰?)
 
ちなみにぼくが過去いた会社がSEO事業を始めたのは、
もともとがデザイン会社だったという
コンテクストがあったおかげ。
まぁ結局うまく行かなかったんですけどね。
 

 

結果に結びつくための仮説と施策

 
ところでウェブ解析にはいくつかのセオリーがあって、
良く見かけるのはテクニカルとしてのGAなどの設定方法や
キャンペーン測定のやり方などですが
本質的に重要だと重ねて言われているのは

  • データを基に、目標と現実の差異を把握し、原因を推察し現実を前へ進めるために仮説を立てる

ことです。

ビックデータビジネスの話も本当にここのところよく見かけます。
それが飛び火してデータサイエンティストという職種まで出てきているようです。
一部のデータマイニングを事業とする会社は
以前から存在しますけれど現実的にビックデータは
企業の収益源の話にはなりえる可能性がありますが、
ユーザにとってはまだまだその恩恵にあずかることは先だと思うのですよね。

で、ウェブ解析の話はビックデータとはまたちょっと異なると思うのですが
、そもそもでいうと、ウェブデータの解析は100%の精度にはなりません
100%にならないものを、どうしてレポーティングし続けるのかといえば

  • 同じツール(例えばGAやVisionalist)で集計し続けることで、時系列比較ができる
  • 集計する際に、目標と現実の差異を把握することができる
  • 改善/追加を行った際の効果を測定することができる
  • ツールで何が図れるのか、その数字は何を意味しているのか把握する

ということが重要になってきます。
IPアドレスだろうがUA、cookieなどを使ったところで、
完璧に個人を特定することはできません。
むしろ特定することに関しては意味がないと思います。
特定することで意味がでてくるのはCRM領域じゃないですかね。

要するに訪問者が10人でも100人でも1000人強でも、
その数字が前週比で200%でも107%でもいいんです。
PVが1000でも10000でもいいんです。
ちょっと乱暴な言い方ですが要は
その数字が変動したら、どのくらいの成果に結びつくの?ということを把握するのがウェブ解析の役割
です。

結果がすべてという世界

この辺を意識していないレポートや数字については
経営者を結構甘く見ているなぁと思ったりするときもあります。
彼らにとってウェブサイトを含めた経営資源は
結果をだしてなんぼの世界です。
それ以外の数字がどう変動していようが
本質的には興味がない。だから
ウェブ解析レポートは結果に結びつくための仮説と施策がのっていないとダメ
なんです。
 
更にいえば施策を行うのにいくら投資が必要で、
投資することによってリターンがどのくらいあるのか、に関心がある訳です。
ここを意識していない担当者は
 
「その仕事意味があるの?」
と常に思われている可能性がありますよね。
そして旧態然としたウェブ制作会社は
受託できにくくなっていくのは間違いないでしょう。
だってリターンがないところに経営者は投資しませんから。
 

価値観を拠り所にゴールを具体的にイメージする

ウェブ解析は会社にとっての決算と同じで、
データは嘘をつかないし(改ざんはできるけれど)
言ってみればマーケティングチームの通信簿の一項目みたいなものです。
サイトの修正やプロモーションによるアクセスの変化についての
仮説検証のために使っていけばいいと思うんですよね。
過度にデータ依存するわけじゃなくて。
だから冒頭の様なまとめにウェブ解析の役割は集約されてくるわけです。

そして仮説立案力。
データを分析することにばかり時間を割くのではなく、
仮説を立てていくところレポートは一番力をかけるべき

なのです。
仮説立案力というのはいってみれば
想像力でもある訳です。
想像力を働かせるには、ゴール地点となる
目標設定を行う必要があります。
 
言ってみれば
仮説立案」というのは「具体的にイメージする」ということ
ゴールに向けては、幾つもの道すじが見えてくると思います。
この道筋が仮説となり、幾通りものなかから(自分たちとお客様にとって)
最善だと思われる選択肢を選び出すことになります。
そのときにどの道筋を選択するのか、
或いはどういう道筋をつくるのかという時に
組織の価値観が現れてくるわけです。

「人間の哲学が変わるとき、あらゆるものが変わる」とはアメリカの心理学者マズローの名言だが、たしかにその通りで、まず、心が変われば態度が変わる。態度が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば人生が変わる。

著者 : 伊藤肇
プレジデント社
発売日 : 1998-10
十八史略の登場人物を財界人との対比も交えながら描く。日産コンツェルン創業者の鮎川義介が「十八史略を読め」といった事から読み、そこから年月を経て書いた本だとか。全然堅苦しくなく古今東西エピソード満載です

 

 
仮説を立てるには、一定の経験値が必要だし
知識も必要だと思うんですよね。
さらに具体的なストーリーに落とし込んだりするについては
知識とフレームワークなんかも必要だし。
 
いきなりウェブ解析を行ったからといって
データがすべてを解決するという考え方は危険
だなぁと思う訳です。
勿論効果はあるから、コツコツやっていくことは重要だと思いますが。
 
一つのアクセスデータや、企業戦略の例を題材に、
仮説とストーリー化を行うセッションや
ワークショップみたいなものを
一定の数こなしてみるのは疑似経験値を上げていくにも
いいんじゃないかなと最近思っています。
 
データが全てじゃないし、過度なデータ依存は危険だと思います。
それにデータが全てなら人が
存在する意義はだんだん薄れていってしまいますよね。
 
目標設定する、目標との差異を把握して仮説立案し、行動する、
というのは言ってみれば営業なり、
マーケティングの基本的な考えなのですが
(さらにいえばPDCAは生産・品質管理モデルが由来ですよね)
継続実行できる人が少ないんですよね。
人が少ないという事は組織も少ないという事でして。

仮説立案に関するお互いの考えや、
そこに至る思考プロセスを共有するような場ってちょっと楽しそうですね。
そんな長期間は続かないと思うので
半年や1年くらいだと思いますが月1回くらいで、
皆が集まって色々できる場づくりを考えてみたいものです。
といいつつも考えるだけで、実現はなかなかしないのですけどね。

 

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