今月のハーバード・ビジネス・レビューが面白かった。

一言で言えば「ハードワークの定義をしよう」と試みているところが興味深かったですね。
 
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最近の政策テーマになっていることもあって、ダイバーシティや女性活躍推進について目にすることが多くなっています。
ぼくもその流れの中で

  • 「組織が健康で健全な成長を遂げるにはどうすべきか」
  • 「制度と企業文化を作りなおすのはどうすればいいのか」
  •  
    といったようなテーマのお手伝いをさせていただくことがあるのですが、面白いのが「健康と健全」という点。

    ここだけにフォーカスすると健康診断だとか特定健診、あと最近たまに見かけるスタンディングデスクの話や職業病にまつわる話になっていくのです。あと福利厚生としての社内サークルとかノー残業だとか。

    人事を経験された人はわかると思いますが、制度だけを導入しても定着はしないものです。制度を定 着させるにはなによりも文化が必要。
    (事例を真似ても結果はでない、みたいですね)
     

  • 「制度はあるけど文化がない」
  • 「周囲の雰囲気がとても許してもらえる感じじゃなかった」
  •  
    というのはキャリアカウンセリングを行っていた時に、転職希望者の方々からよく聞く話でした。
     
    その目指す文化を称して「健康で健全な」という表現を説明すると「あほみたいなハードワークやったことある人」にはものすごく共感してもらえるのです。だからといってぼくみたいに
    死にかける必要はないんですけどね。当時の上司もみんな倒れて入院したりしてたなぁ。

    「あほみたいなハードワークやったことある人」
    にとっては体感したからこそ、じつは健康で健全じゃないとやっていけないって考えがあると思うんです。
     
    急激な組織の成長は時間や健康とのトレードオフという面があります。健康で健全じゃないとやっていけないという考えがあるってことに気づくというか、見て見ぬふりをしてきたことを直視し始めるとでもいうのが、今回の特集を読んで改めて感じたこと。

     
    そもそも社員の健康に留意しないと、万一離脱されたらノウハウや組織力も、何もかもがダウンします。そして結局は収益のことだけじゃない大切ななにかを失います。本質的には大企業も中小企業も同じで差異はないものですが、小規模企業の方が全体にうけるダメージは大きいでしょうね。1人に掛かる負荷が大企業より大きいことが常ですから。

    ですので、(働き手減少の背景もありますが)好むと好まざるとにかかわらず健康をマネジメントする、ということや健全な組織、企業文化をつくり上げていくということが、ますますもって必要な視点なのじゃないのかと最近考えています。

     
    ダイバーシティというと、どうも大企業が取り組むことで
     
    「最近なんだか流行しているなぁ」
     
    と他人ごとのように思ってしまいますが、現実的にはドロドロな組織の中で属性による多様性の受容ではなく「価値観や立場、状況の違いを受容することができる組織になることがダイバーシティ」という方向性もあるんじゃなかろうか、と考えています。
     
    そして組織のなかの皆が受容するには、忍耐性を身につけることが必要だろうなって。それは中小企業ほど考えなきゃいけない「視座、視点、価値観」じゃないでしょうか。

    ここでの課題はそうした組織文化をつくり上げていくことと、収益の因果関係/相関関係ですね。結局投資に値するのかって話になっていきますから。事例だけではなくて(それはそれで面白いんだけど)定量的研究が進んでいくといいなと思います。

     
    ということでHBRが面白かったというのは「あほみたいなハードワーク」の定義と「健康」を併存して考えようという話です。中小企業の経営者は一度読んでおくといいかもしれません。
     

     

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