ソーシャルシフト 新しい顧客戦略の教科書 を読みました。(ちなみに電子書籍はソニーのReader
を使っています)
個人ごとになるんだけど著者の斉藤さんが経営されている
looopsさんは
ぼくがかつて2006年ごろに企業内むけSNSサービスをリリースしてセールスしていた際に競合ウォッチをして。そのときに存在をしった会社さんだったりする。
当時は正直いってSNSは早すぎて受注が伸びないまま(システムも未熟なままで)ぼくはサービス撤収を決断したのだけれど、あのころからずっとブレずにソーシャルシフト化を果たされたのはすごいなぁと心から思う。
そんな前提で手にとった本だということを最初に記して、読破した感想を書いておきます。
この本ソーシャルシフト 新しい顧客戦略の教科書
がいっていることは、いってみれば「余剰」「信頼性の欠如」「限定生」「複雑さ」「中央集権」を「開放性」「権限移譲」「責任の分散」「シンプル」「分散」にシフトして事業を進めようということ。
※キーワードは各社でそれぞれに変換できる。
変換するキーワードはひとそれぞれだしソーシャルシフトがすべての企業にとってベストな戦術というわけでもない。
ネガティブなことをいえば
という大前提で物事を進めることは決してベストな選択でもないしモアベターでもないということが挙げられる。
とはいいつつも、現場の声をしっかり組み上げ共有し課題に対して関係するみなで考える。本部はその実現に向けたサポートにシフトするということは組織にとって大きなイノベーションになる。
そもそも個々人の業績管理が変わる。部門の損益管理が変わる。つまり各自が損益ということを理解しなきゃいけない。要するに人事評価の在りかたが変わる。ということは採用も変わるし人員配置も変わる。
さらにいえばソーシャルシフトが求めているのはかつてからよく言われている
【皆経営者主義】に近いところがあるように感じる。
経営者からすれば、こんなに心強いことはない。管理者からすれば、こんなに自己研鑚が求められることはないし、従業員からすれば、こんなに働きがいがある職場はない
ただしこういう価値観に合致している人であれば、の話。個人的なはなしでいうと人事のことや組織のありかたについて(かつてほどではないけど)話をする機会がここ数ヶ月増えてきました。
そのなかでいつも感じることは
「~べきである、ということはない」
「やらばければいけない」
ということは何一つないということ。(ぼくは「べきというべきではない」派なのです)
目の前には変わる機会と変わるための選択肢が提示されるだけ。(あることすら気づかない人もいる)
選択するのは人事部門であり経営陣であるということ。決断するのは経営者の仕事。そこはそれぞれの価値観で決断すればいいだけの話。
「これをやったらどうなるだろう」
シミュレーションに不安があることもシミュレーションに期待を寄せることもある。いずれにせよ先が見えない不安な世界に対してどうするか決断するのが経営者の仕事。
そういう意味では選択肢のひとつとしてこの本を読んで、自分たちの組織に想いをはせてみるのはとてもいいと思う。
ネーミングがソーシャルシフト 新しい顧客戦略の教科書
とインパクトがあるから魔法のようなことを求める人もいれば「これからはソーシャルシフトだ!」という人もいると思う。
でもね、本文にも書かれているけれどFacebookを使うことがソーシャルシフトじゃないから。
あと情報をコントロールできなくなっているというのは現実のはなしなので組織ごとシフトしちゃうかどうかはさておき、そういう現実があるということと、リスクマネジメントを考えておくことから着手してみてもいいんじゃないかなぁ。
いずれにせよもう起きちゃっていることだからどういうふうな適応にするのかをきちんと考える機会にはなると思う。
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