2018年も半分が過ぎた。「今年はどんな年にしようかなぁ」と年始には意気込むのだけれど、「計画通りできたぞ」なんてふり返ることや「ここは出来ていないな」と自省することはあまりない。だいたいにして 「今年の抱負」「目標」「行動計画」といった決意みたいなものを表明するのを好む人は多いけれど、ふり返って自省し次の行動に活かす、なんてことをおこなっている人は少ないんじゃないかと、どこかに仲間がいることを期待しながらこの文を書いている。
 
これまでの人生でキャリアコンサルタント、つまり人材(転職)コンサルタントを生業としていたころは、「将来の計画を書き出し、目標をたてましょう」「目標が達成できたかできなかったか。いずれにせよその原因を考察しましょう」という具合にキャリアプランニングなるものをオススメしてきた。しかし自分自身は思いどおりに事が運んだことはおろか、計画をたててしっかりふり返ってきた習慣など、ろくすっぽないのだ。

どっちかといえば「パッとしないなぁ」「計画(期待)していたとおりにならないのものだなぁ」と嘆息しつつ、「まぁ思い通りならないのが人生なのだよ」と、分かったような分からないような開き直りをくり返してきたことのほうが多い。

ずい分前のことになるが、「ハップンスタンスセオリー 」なるスタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授によって提唱された理論を、某社の人事部の方より教えていただき、天啓をうけた気分になったことを思い出す。

ーキャリアは偶然の出来事や、予想だにしなかった事柄や出会いに対して、そのときの己の最善を尽くし対応していくことで、積み重なった経験と知識とスキルで形成されるーという、従来のキャリア論の逆説的なアプローチなんだけど、たしかに「あぁ、ぼくのキャリアの重ねかたは、これだな」と感じたことがある。

「将来の計画を書き出し、目標をたてましょう」などと人には言っているものの、そもそも自分は野望遠謀があるわけでもなく、世に何かを成したいなどど考えていたわけでもない。新規事業にかかわることが多いことも、起業を繰りかえしていることも、なんのことはない。その時のまわりの「ねぇ、ちょっと会社作らない?」「あらたな収益事業を立ち上げようじゃないか」という流れにのっかって来ただけなのである。
 
まさに流れ流され、浮き草のようにいまここにたどり着いているわけだ。極論でいえば「計画や目標」から逃げ回ってきたともいえよう。そういえば受験に代表される試験の類をはじめ、通勤電車からも逃げ回ってきた。それがゆえに心がけていること、意識していることは「ふわっとした話を、ざっくりタスクに落とし込み、事業を前に進める」という自分の役割認知だ。

先日どこかのブログで(失念した!)、「ふわっとしたことをタスクに落としこめる人が少ない(とかいう感じだかな)」というタイトルのエントリーがあったように記憶している。そのタイトルを眺めながら、これまでやってきたこと、期待されてきたことはこれに近いなと思った。

もちろんすべての仕事ががそうであったわけではないし、期待されているからといって完璧にこなしてきたわけでもない。そもそも完璧主義者ではないし、状況が悪化するようなときは、そそくさと逃げ出すこともおおかった。取引現場などでは、条件交渉が面倒になって「発注していただかなくても結構ですので、この話はなかったことにしませんか」と言ったことも幾度となくある。「こういう考えかたの人とは商売したくない」と組織内で退却論をぶちまけることもあった。ざっくり数えれば失敗のほうが多いと思う。

ただ眼の前にでてくる現実に対して、自分の持ち手(スキルと知識)で、ひとつひとつ対処していくことで、経験が積み重なっていき、それを総して「キャリア」が形成されてきたのだろうと思う。

冒頭に戻ると、「今年はどんな年にしようかなぁ」と考えてはみるものの、「計画通り」にものごとをすすめていくという姿勢とはかけ離れているのではないかと、であるならば 「計画通りできたぞ」と感じ入るシーンがないのもむべなるかなと思うのだ。

つい昨日「打ち合わせでのざっくりした、ふわっとした考えを、きちんとタスク化して役割分配するのがうまいよね」と言われたことと、「ぼくらの知っているあの人、何処其処でえらく評判で、プレゼンス超あがっているらしいよ」という他者評価を聞いたことが、仕事とむきあっているスタンスだとか、考え方をちょっと省みるきっかけになり、今日のエントリーを書いたのだけれども。
 
とどのつまり「褒められる」というのは精神衛生上じつにいいですね、という結論を自分のなかに持つことになった。褒められることで「さぁやるか」という活力が湧くのだ。飲みにいったり、愚痴を言いあうこと、現状の不満を活力にするタイプの人もいるだろうけど、ぼくはどうせならもっと褒められたい。
 
そうか、誰かと会ってなにかをはなすときには、まずは長所・強みを褒めることからはじめることができれば互いにいい気分で仕事ができるんじゃないか、よしそういう風に行動していこうと、あらたな「今年の残りの抱負」を見出したのだ。

 

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