自律型人材になるということ

「自律型人材を採用したいんだよね」
企業の採用をお手伝いしていた頃に人事部門の方々から非常によく言われたことがあります。

“自律型人材”
”コミュニケーション能力の高い人材”
こうした言葉をいったい何度求人票に書いてきたか覚えきれません。自律した人材にはそうそうお会いできるわけではないと思うのです。ましてや一般的な採用活動で出会える確率は物凄く低いです。上手く出会えたとして、その人材があなたの入社してくれるとは限りません。入社したとしても期待通り活躍できるとも限りません。

そこを企業の代わりに企業の戦略や戦術を説明し、理解を進め納得していただき、ご自身のビジョンとすり合わせを個別対応していくのが採用エージェントの役割なのですが、ここでは企業からの戦略がないとどうにもなりません。というより戦略を理解している採用担当者が非常に少ないのです。

口説き落とすのと、無理やり入社してもらうのとは大違い。熱意と強引さだけではどうにもならないことがあります。
 
会津藩の言葉でいう所の”ならぬことはならぬものです。”こうしたフェーズでは明確な採用戦術と組織戦術が必要になってきます。戦略と戦術に一貫性があるか、全員の共有コンセンサスが取れているかどうかは成長していく組織とそうでない組織の明確な違いです。

By: Thomas R. Stegelmann

この組織戦術の一つに研修の充実というものがあります。
働きがいをもとめてはいけない
というワークスアプリケーションズの牧野CEOの話もありました。

まぁ正論っちゃー正論ですけど、そこまで人は強くないと思うんですよね。とはいいつつ自分が入社するかもしれない会社の研修制度がどうなっているかは気になるものです。

プランは立てた次の日から

研修には大きく区分して“知識型研修と思考型研修”と2つあります。研修の中ではキャリアデザインとキャリアマネジメトという2つの言葉があります。2000年前後くらいから、この言葉は頻繁に口頭に昇りはじめキャリアデザインとか、キャリアコンサルティング、キャリアアップという言葉はすっかり定着してきたように感じます。キャリアコンサルタントなんて職業もあるくらいですからね。

この中では主に企業が導入するのはキャリアデザイン研修の方が多いようです。この研修は時折見かける自己分析とプランシートの作成、フィードバック。これで大体1日は費やされるのですが、概ねはそこで「「面白かった」で終わってしまうことが多いそうです。

研修をしっかり応用して仕事に転換する方もいると思いますが自己分析やキャリアプランシート作成が、分析のための分析であり、プラン作成のための研修であるならば費用を費やした意味がないと思うのです。

プランは立てた次の日からが大事

行動すること、踏み出すことが大切です。行動しなければ意味がない。

キャリアデザインは自己分析や環境の棚卸、プランシートを用いたプランニングを行うものです。しかし現実としてキャリアは想像のつく範囲で、想像の付かない範囲で変わります。だから計画を立てて、それで安心してしまってはキャリアデザインにはならないのです。じゃぁ計画なんて立てても意味ないじゃん、と反射的に考えてしまいそうですが

「目的もなく漫然と毎日を過ごしてキャリアを積み重ねていい」では生き抜いてはいけないという事です。そこにプランニングを行う必要性があり、次のステップであるセルフキャリアマネジメントに入っていくプロセスとしての意義が出てくるのです。

振り返りの習慣を身につけよう

未来像を無理やりにでもいいから想像してみることから始めます。
「こんな風になっていたい」
「こんなことをやっていたい」
「こんな風な人生を送ってみたい」
と大半の人が何かしらを思い浮かべると思います。

過去からの知識・スキルを棚卸しして現時点で何ができるのか、想像した自分になるためには何の知識・スキルが不足しているのかを知り、それをどんどん学んでいこうとする意欲を湧き起こす。

<div class="alert alert-success" role="alert"><li>能動的な動きを呼び起こし実際に行動に移していくこと</li>
<li>行動が適切に実行できているかどうか確認をする</li>
<li>常に定量・定性的にチェックしていく習慣をつける</li>
<li>そのダイナミズムを身に着けていくこと</li></div>

これらがキャリア形成におけるキャリアデザインとキャリアマネジメントだと思います。

自律型人材になるために

キャリアマネジメントには「自律」ということが求められます。自らを律すること、そのためには自らの価値観が必要になります。目標とするキャリアに向けてロードマップとなる目標ステップを立てそれらに到達するまでを定期的に定量/定性的にチェックしていく習慣をつけること。こうしたサイクルを実行していくには仕事に対する価値観の確立が必要になってくるのです。

「どうしたいか?」に対する答えは自分の中にしかありません方法論や、やりかただけを学ぶべき時期はあっという間に過ぎていきます。ビジネス書やハウツー本に一喜一憂する時期はある程度の年齢を過ぎると止めなければならなくなります。
 
しっかりとした仕事観、価値観を作ることで、初めて知識・スキル・経験の蓄積から解放され「どういう地図を描いていくのか」という作業に入れるのです。(勿論知識を吸収していくことは継続していくという事は変わりません。)

もっと言えば何かを決めていくとき行動していくときには、倫理観や人生観、宗教観といった自分を構成している要素が言動に現れますし、その言動には責任が伴います。言い換えてみればと呼ばれるものかもしれません。

そしてある程度の年齢になれば「条件が揃わないから動けません」はありえなくなります。それは言い訳であり、その内実は「動かないから条件が見えない」のです。更にいうなら「条件を創りすのがリーダーの使命」です。

好き嫌い関係なく仕事はしていかなければならないですし時間は毎日刻一刻と過ぎていきます。だったら尚のこと

  • 自分は「どんな人生」を送りたいのか
  • 「どんな人生」の中で仕事とどのように向き合うのか
  • 「人生」において自分はどんな価値観を持っているのか
  • 「人生」と「仕事」をうまくバランスとっている人は周りにいるか
  • 個人の「やりたいこと」と組織の「やらせたいこと」をどうすれば重ねられるのか
  • こうした事を一度自分と向き合って棚卸しし、プランニングし行動について定量・定性的にチェックしていく習慣をつくっていくことが大切。その方が前向きな日々を送れるはずです。

    キャリアマネジメントは自律できているからやれるのではなく、キャリアマネジメントを習慣化していくからこそ自律した自分になっていくのです。始めから自律している人なんて殆どいないのではないでしょうか。だからセルフキャリアマネジメントを習慣化していくまでは自分にとってのコーチだったりメンターだったりが必要なのだと思います。

    良い習慣がよい人生をうみだすサイクル

    そして良い習慣と良い仕事観を作れば、より良い仕事観を持った人たちに引き寄せられ、良い仕事とチャンスに恵まれるようになると思います。これはそうした人と出会う原因を自分自身がつくり行動を積み重ねていくという縁に出会って新たな人と出会うという結が生じ、良い環境に恵まれるという果が実りそれがまた次への原因になる。というサイクルに入っていくからだと思います。

    ということで冒頭に戻りますが、キャリアデザインとキャリアマネジメトというのは、必ずセットで取り入れなければ効果を発揮しないと思う次第です。なぜなら自律した個が集合することで組織はより強くなるからです。企業経営者はこうした環境整備を行うことがミッションであり、人事部門はそうした人材開発を行っていくことがタスクになってくるのではないでしょうか。

    ところで個人がちょっとキャリアについて悩んだときどこに相談にいくのでしょうか?知人?先輩?本を読む?或いはプロのキャリアコンサルタント?(転職すすめられちゃう!)

    人材紹介会社に所属している以外のキャリアコンサルタントにはどこにいけば出会えるのでしょうかね…

     

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