組織体質を変えるのは難しい

最近起業のことをスタートアップと言うようになっているのはなぜなの?
スタートアップではないのですが家業経営の中小企業で働いていた時の話を書いてみたいと思います。

勢いに乗って成長したい中小企業の例

その会社ははこれからどんどん成長していきたい!という意思が非常に明確でした。時はITベンチャーブーム。ベンチャー経営者が持て囃されていた時期でもありました。

言ってみればこんな本音
「中小企業の安心感、家族経営を持続しながら、ベンチャー企業の新規事業立ち上げのスピードと爆発的な成長力を手にしてウハウハになろう」

と考えるもの時代の流れからして当然のことです。

要するに

対外的にはこういう風に発言する
「既存の事業で得た利益を新規事業に投下する。でもローリスク・ハイリターンで進めたい」

ということです。

そしてそのうえで「5年以内に株式上場を果たしたい」という野望を持っていました。いま振り返れば陣容はそれなりに整っていましたし、家業から”みんなの会社”への転換になるためにもちょうど色々なリソースが揃い始めていた時期だったと客観的にも思います。

 

DariuszSankowski / Pixabay

体質はなかなか変わらない

しかしながらローリスクでやりたい、というところが厳しかったのだと今なら理解できます。ローリスクとは直接的な金銭だけではありません。それこそ経費の使い方からキャッシュの持ち出しの概念、社内規定だとか暗黙の社内ルール変更。営業戦術の見直し、プレゼンテーションへの考え方、人事制度、給与制度、経営企画、管理会計のあり方、意思決定の明確化~云々。変更しなければいけない領域はほぼすべてと言っていい状態でした。

誰がアンタッチャブル領域!!!に手を突っ込むのか

家業経営といえば節税対策も絡んできたりしますので公私混同が当たり前になっているケースも多いのです。社長のお財布と個人としてのお財布が同じなのですよね。さらに新規事業を立ち上げるメンバーと今までのメンバーの個性タイプが全く異なるから異文化がぶつかり合い、毎日どこかでハレーションが起きています。

422737 / Pixabay

結局改善できず

今までのままで新しい収益源を確保し、成長性を入手できれば最高です。でもそれでは組織風土を改革することはできません。つまるところ個人の意識も変えないということなのです。そこを変えようとすると物凄い抵抗に合うだけなのです。そりゃそうです。今までそれで旨く楽しくやってきのたですから。

家族経営のところにまったくの異文化が入り「ベンチャー企業の成長性を手に入れよう」は矛盾してくるものなんだなと骨身に沁みました。

矛盾を解決することが脱皮することだとは解っていても無理なのです。それは代表者が従来のやり方を土壇場で選択してしまうからなのです。何を選び、何を捨てるのかというのは本当に難しいものです。結局新規事業はうまくいかず…集まったメンバーは離れ離れになりました。

しかしこれは非常に良い経験でした。その後転職の相談を受けたりするときにこの経験を活かして話すことが出来ました。どちらかがいいか悪いかの問題ではないということも体験して知ることができたからです。ベンチャー企業での苦闘記、中小企業の挑戦は色々検索すれば、たくさんブログがでてきますので読んでみると参考になります。

ステークホルダーと従業員がベンチャー企業だと思えばベンチャー企業

「社歴は浅い方がベンチャー企業と思われやすい」というのが極論ですが思うところです。ベンチャー企業、ブラック企業、中小企業、呼び方は色々あり、一人ひとりの定義もあるのでしょうが個人的には呼び方に意味はないと考えています。

持続的な安定をしている中小企業は内部で新規事業を産み出しにくい風土でしょうから子会社設立なり、新規企業を後押しするなどの体制を作っていくのがマクロの視点で言えば経済活性化にはいいんだろうなと思います。

ただ起業するのが全て正しいだとか、新規事業に進出することが全てだとは思いません。上記は中小企業が新規事業に進出して撤退するストーリなのですがその選択肢もあくまで企業が成長を遂げていくための選択肢の一つでしかありません。既存事業の拡大をより強化する、その中でポートフォリオを見直しするなどの経営戦略もありだと思います。


 

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