人材紹介会社のための嫌われない戦略

7月のウェブ解析士の勉強会」の資料を作りながら以前のことを思い出していろいろ思ったという話。

資料は勉強会終了後公開しようと思っていますが、今考えていることをまとめるにあたって断片的に考えていること、散文的に話していることを集約する作業を行いました。

もともとマーケターでもないし、専門職でもないぼくが、どうしていまのような考えにいたっているのかと紐解いてみると、SEO事業に関わった時に日本の第一人者として知られる人の考えに触れることができたこと、人材事業を通して一般の人に登録(応募)してもらう仕組みをつくってきたこと、が大きいんですよね。

By: VASCO SOLUTIONS
 
SEOに関してはもうそのまんまで
「適切な構造で適切なコンテンツをつくること」
「ユーザにとって必要なコンテンツであれば自然にリンクがあつまる」
「リンクポピュラリティは支持の証」
ということに尽きます。あまりグレーなやり方というのは自分の中には染みてきません。物凄いシンプルなのですがこのまんまです。

人材事業については直接的には前職の影響。ぼくは人材業界出身と思われているのですが、最初の会社で実務として人材サービスに触れたのは3年間。(以外は情報システム室)それ以降人材サービスに携わる事はなくて、仕事の関係で支援してきたり業界の人と接することは多くありましたが、実務に浸っていたのは前職で退任するまでの3年くらいです。

人材紹介会社の取るべき戦略

人材紹介サービスというのは、大雑把にいえば転職希望者に登録(応募)してもらい、その人が希望する仕事を案内し、転職が叶った時に人材紹介成功報酬が発生し企業側からフィーが支払われる仕組みです。CtoBtoBという分類になるのでしょうか。

だから

  • とにかく登録者を増やすこと
  • 求人依頼数を増やすこと
  • がまずは重要になるんです。この2つが収益の源泉ですから。

    By: tiarescott

    そこで企業にできることは

  • 登録者をいかに増やすのかを考え続ける
  • 求人と登録者のマッチング精度をいかに上げるかを考え続ける
  • 要約するとこの2点に集約されます。そこにレコメンドエンジンがどうかとか、KPI測定のためのデータベースがどうとか、キャリアカウンセラーのスキルがどうとか関わってくるんです。いってみればマッチングビジネスであり、情報産業です。(この辺をうまく転換したのがリブセンスやI&Gパートナーズですね)

    そこで中小規模の人材紹介会社にとって一番ネックになるのは登録者募集です。リスティング広告か、ディスプレイ広告、アフィリエイト広告くらいしかできることって当初はないんですよ。それもサイトに求人検索機能がなければ
    ランディングしてもらったとしても利便性が悪いのでお話にならない。
    [追記]人材紹介会社の集合広告サイトへの出稿がありました。

    求人数の絶対ボリュームは大手に勝てるわけがないんです。となるとどこで勝つかといえば、人間性の幅だったり、丁寧な仕事ぶりだとか情報分析のスキル(これは財務的な判断や戦略判断も含みます)、またどこまで中立性を保っているかといった暗黙知を差別化ポイントにする必要があるんです。

    その他人事部とのコネクションだとか色々要素はありますが、とにかく「求人数といった規模」以外を強みに変えていく必要があるんです。だからクチコミなんてのは特に意識したり、人を紹介してもらう仕組みには色々試行錯誤します。それが一番CPAも低くなりますし、人から紹介してもらってお会いする方には色々気遣いもするので結果的にサービスの質も上がる訳です。

    それでも不満やクレームは入ります。それをどうにかしたいと思うのは常なんですが全員から称賛されることなんてのは無理ですから、ご意見を拝聴し取り入れるとこは取り入れて質をしっかり上げていくことを担保しながら、収益をあげなきゃいけない。

    だから大前提としてはまずは嫌われないようにすることになるんです。嫌われているような状況では誰も相談しようと思わないですし重要な個人キャリアを開示することなんてありえないですから。

    そのためにはまず

  • こちらから余計なスパム情報を提供しないこと
  • 無駄と分っているアンマッチな求人紹介はしないこと
  • 無理やり転職させるようなことはしないこと
  • 人材紹介は企業側に立ったサービスですから最後の最後まで話を行っていくわけですが、やり過ぎると募集企業にまで迷惑がかかります。何よりも自分たちが楽しくないでしょ、そんな仕事していたら。

    それにどうしても入社してもらいたい人なら、人事部が口説くためにイレギュラー対応してでもでてきます。ぼくはそういう採用担当者や社長を何人も見てきました。(というかすぐにお願いしていた)

    だから人材会社にできることは

    1. 自分たちのもっている価値観の明確化
    2. 自分たちのもっている強みの明確化
    3. ここは弱い、ということをはっきりさせておく
    4. 大手企業には勝てないポイントを把握しておく
    5. 嫌がられる情報提供はしない

    こういうことを凡事徹底、積極的に行うことなんです。このことをやっていない会社って意外と多いんですよね。

    熱意があれば伝わると勘違いしていたり、とにかく転職させればいいから「説得しろ」というモードに入っているところとか。こういうの本気でやっている会社案外あります。

    それって最終的には非効率になるわけだし、嫌われるし、嫌われたらそこでクチコミが発生したりウェブ上に書き込まれたりするわけです。そういうことを極力避けながら、でも自分たちの価値観や強みが見えるようにするには、どうしたらいいかなと考えながらやっていました。(これってレピュテーションマネジメントの触りみたいなものなんですよね)

    そういう機能をウェブになんとか搭載したり、オフラインで共有できるような仕組みを推進したいと考えて試行錯誤したりしていました。KPIでいうと結構細かくプロセス管理はするようになっています。STATSというMLBの「個人成績」
    (Sports Team Analysis、and Tracking Systems inc.の頭文字)を真似たレポートをつくって、業績プロセス指標の管理に使ったりしていましたね。(あんまり皆には響かなかったみたいですが)

    結局のところは企業と登録者が建設的で友好的なやり取りができる仕組みとか、転職という大イベントを(今すぐじゃなくても)相談できる場を作ろうとか、自分のデータ(或いは希望条件)を預けておけば、適職があれば通知してくれるとかそんなコミュニティというサークルを作ってみたらどうかなと思っていたんですよね。それこそMLで会話を日常的にやり取りしてもいいなと。

    そうすれば(今すぐの)転職希望じゃなくてもいい、「仕事上のちょっとした相談ができる」とか「上司とか同僚とか友人とかには相談しにくいことがさらっとできる場になる」かなあと考えていたんですけどね。それをエッジの効いた感じでメインストリームを突っ走る感じとはちょっと外れたポジショニングでやりたいなと。

    人材会社は可能な限りスパム情報を削減しなきゃいけないですから0にするのは本当に難しいかもしれないけれど、分岐点に来たらそれに取り組まなきゃいけない。こういうことを考えてくるとHubspot社が提唱しているインバウンドマーケティング的思考や河野武さんが提唱する「最愛戦略」は物凄くハマる訳です。

      ・コンテンツマーケティングと最愛戦略
      ・ECサイトのメディア事業戦略の資料を作った     

    それが価値観を知っていただくことにつながっていく、というか結果として支持されることに繋がっていくというか。ぼくは「売上とは世の中からの支持だ」と教えられてきているので(もちろん企業が不正を行わないという前提での話です)更にそれってどこに繋がっていくのかといえば、遡って99年に出版されたパーミッション・マーケティングに辿り着くわけです。

    まぁ構想していたことは10%も具現化できず、いまに至るんですけど。あ、でも支援先企業で実現した事とか考えると、ある程度は分散して実装してきているかも。ということで、大事にしていたのは
     

  • 嫌われないこと
  • できればお気に入りのベスト2位に入りたい
  • 余計な情報を流してウザいと思われないこと
  • ですかね。そういう発想でウェブ化もしていこうと思っていましたし。予算の問題とかいろいろあって投資できずに終わっちゃいましたが、いま作っている資料は、こうしたことを踏まえた感じになっています。

    ということを2-3日前からツラツラ思い起こしましてメモ的に残しておこうとエントリーしました。
     
    でもこの辺はいま取り組んでいる事業で、少しずつ取り入れていきたい思考ですね。

     

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