売上を上げるために必要な仕組みと、仕組みをつくるのは価値観だろうという話。

知人から起業すると聞いた。正確に言うと彼にとって数社目の創業なので、はなしを聞いても正直新鮮味はそんなに感じないという冷静な感想なんだけど。しかし、そのバイタリティには本当に感心する。裏を変えればぼくはもうそのバイタリティが減少しだしているのかもしれない。

ぼくの周辺は起業というキャリアを選択する人が多くて、いわゆる会社員の知人はあまりいない。起業した顔ぶれをみても学歴に共通項があまりないので、アカデミズムよりもエモーショナルな判断軸を持つ人が多いのかもしれないなぁ。これが開発系や理工系になるとまた違うコミュニティが形成されているのかな。企業で比較的近いのはリクルート系の人がおおいので起業にあまり抵抗というか、臆病になる人がすくないというのはあるかもしれない。

 

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で、そんなことを考えているとお決まりの自己振り返り。「ぼくの場合はどういうケースになったかなぁ」というやつです。なにかが起きるとこうした我が身を振り返る習慣になっているんですよね。で、こんかい感じたのは起業したばかり、あるいは数年経た会社が次に開けなければいけない重いドアは「集客」だということ。
 
BtoB企業のばあいだと「見込み客」の獲得になる。営業(or マーケティング)の悩みのほとんどはこの点に集約されている。いま取り組んでいる観光関連でもまったく同じ。そしてなるべく費用をかけたくない=獲得単価を限りなく0円にしたいという思惑があるのも同じだったりしますね。逆にリピート獲得とかリピート率をあげたいという相談をされたことって数件しかないんですよね。

ぼくが参加するときには、この辺も比較的意識するようにしているんだけ、日常の興味は「新規獲得」ですよね。スマホ販売みてればよくわかる。長年の顧客にはなにもないのに、新規にはメリットがいっぱいあるのはずっと以前から変わらない光景ですよね。

ところで「愛情の反対は無関心」という言葉があります。いくらいいものでも知られていなければ売れません。(そして売れるのは顧客が欲しいものです) 知ってもらって関心をもってもらうことで、初めて[購入の検討対象]のひとつとして選ばれるわけです。つまり無関心の手前には「知らない」という状態があります。となると販売促進費、プロモーションにどのくらいの費用をかけられるのか、獲得単価をどのくらいにしたいのか、月間の獲得総量はどのくらいにしたいのかを考えていくと、どのくらいの費用をかけることが議論の溯上に載ってきます。が、ここに投資をしたくないという会社もあります。

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そういう場合どういう選択をするかというと、「SNSでなんとかして0円で集客したい」という発想になるんですよね。あるいはウェブサイトをつくっておけば問い合わせが入ると考えている。そう、15年近くまえの発想が残っているんでしょうね。思考がコモディティ化しているとでもいうのかな。じゃあSNSは誰が運用するのか。投稿するコンテンツはどうつくるのか、といえば社員頼みです。つまり人件費=0円発想で販売促進をおこなおうと考えるわけです。

費用をかければ絶対反応があって、収益があがるのか?という人もいます。が、こうした組織はそこが問題の焦点ではなくて、「人海戦術」を選択し、人材に負荷をかける傾向があるということです。こういう企業はだいたい[知恵を使え」「他の会社はどうやってる」「あそこができてるならうちにもできる」という言葉がおおく、またお会いする人はたいだい疲れているか、夜遅いのを諦め半分楽しみ半分で「そんなものでしょ」として働いていて多忙です。

多忙は怠惰の隠れ蓑、とイトイさんがご自身の学生時代に先生から言われたことばをほぼ日に書いていたことがあります。その言葉を最近思い出すんですよね。人件費=0円発想で販売促進をおこなおうとする会社にはこの言葉を今一度考えてみてはどうかなぁと思うんです。

重要なのはマーケティングに関する知識と、それをいかに運用していける組織をつくるかを目指すことです。そのうえで効率さをめざし単価を落とす努力をおこなうのはいいんです。はじめからそれをやらないで人件費=0円発想は、経営者がとるべき戦術でも戦略でもないということは知ってもらいたい。

SNSの功罪でいう罪に近いとおもっているんだけど、とにかく投稿すれば宣伝になる、全員がみていると思っているフシがあります。フォロー獲得についても事前に増えると思っています。でも数十人、数百人程度でなにかが起きるかと言えば、絶対に何も起きません。せめて数千人単位にしなきゃいけないんだけど、それをどうやって集めるのかを考えなきゃいけない。

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地方に来るとウェブサイトはないけれど、Facebookページはあるという企業や店舗をみかけます。これでは集客はむずかしい。周辺のつながりある知人に告知できるだけでしかないはずです。

広告時代はどんどん進化していっているんだけど、人件費=原価0円発想で、人海戦術のみで見込み客を獲得しようとしている人たちは、今後の働き手の減少や、収益を伸ばすといった「企業の持続性」をどう維持しようと考えているのか、いちど聞いてみたい。目の前の数万円、数十万円を惜しんでいる場合じゃないと思うんだけどなぁ。

最近目につく愛される企業というフレーズ。これは「最愛戦略」のことを意識しているんだとおもうけど、その前提には「支持」されていることがある。そもそも最愛戦略を選ばないなら、ほかにも戦略はあるはずです。たとえば楽天やサイバーエージェントが最愛戦略を志向しているとは思えませんよね。大企業でいえば日立だとか富士通もそうです。

 小規模企業の組織開発責任者は「人件費=0円発想で販売促進」についてどう考えているのか。KGIがあるとするなら、KPIもあると思うんだけど、その数値達成のためのKSFはどうつくっていこうとしているのか。数字以外の大切にしている部分に企業の価値観は現れると僕は思っているんだけど、こうしたテーマや課題解決をシェアして、お互いのナレッジを交換して組織に持ち帰ってみる。もちかえったらどういう反応が起きたかを継続的に共有できる仕組みが合ったらいいなぁと思いませんか? 

インプットしても消化してアウトプットして。されにその反応を検証することで再度取り組んでいくことが大事。前も書いたけど経営の悩みのほとんどは売上のことなんだから。

「起業する」って話をきいて、ふと我が身を振り返ったときに、つらつらと書いたようなことに、過去もいまも悩まされているなぁとふと思ったよ。

 

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