「この街にやってきて良かった」と思ってくれる ファンづくり

現実的に観光客を増やすためには「この街を訪れたい」と思ってもらえる魅力をアピールすることがはじまりだと思うんです。そのためには、今ある文化財のこと。景観をふくめて市内(あるいは地域)で連綿とつながっている文化を客観視して整理すること。整理した情報をさまざまなツールを使って、情報発信しなきゃいけないんですよね。
 
この関連するスポットをむすぶことを攻城団では「コンテクスト・ツーリズム」と言っています。

 

つまりひとつの自治体だけでなく、周辺自治体が連携してトータルでの魅力向上をアピールするというものです。
ぼくはこの「観光圏」はとてもいい取り組みだと思うんですね。一ケ所だけでは観光客を呼ぶには魅力が足りない地域同士が連携することで、そこに出かける目的やきっかけを創発し、さらには(見たり体験したりする場所が増えることで)宿泊を伴う旅程を提案できるというのは観光振興や観光圏の発展にも貢献できると思います。

それをさらに推し進めた考え方が「コンテクスト・ツーリズム」で、複数の観光スポットを「ある文脈(=コンテクスト)」で繋ぐことで、ストーリー性のある旅をすることを指します。さらに次回以降の旅行の提案にまで踏み込んだものです。

「観光圏」における地域同士のつながりが「田舎暮らし体験」や「パワースポット巡り」といった地域の気候や風習を軸にしたテーマであるのに対して、より踏み込んだ文脈を設定するのが「コンテクスト・ツーリズム」です。
具体的なコンテクストとしては、「織田信長、上洛の軌跡」や「築城名人・黒田官兵衛が築いた城」のようなもので、とくに攻城団では歴史的な背景をもとにした文脈を想定、重視しています。

この「コンテクスト・ツーリズム」にかんする情報発信、提案はこんごとても重要になってくると思っています。とくに歴史文化観光を推し進めたい地域にとっては、その魅せ方、提案方法ふくめて課題になってくると思うんです。さらに観光を産業という視座から考えると、事業計画を立案するときに大切になってくることがあります。それが

ということです。これはべつに観光産業にかぎったことじゃありませんけどね。ここに取り組まない限り、地域の観光産業は致命的なマイナスになっていくように思います。
 
いまはまだまだパンフやチラシを作ってバラまいたり、イベント出展をおこなったりしていることが主流だとおもうんですけど、効率化やCPLをきちんと把握しているのはどのくらいあるんでしょうね。
  

LoboStudioHamburg / Pixabay
「宣伝」や「広告」をやるなら、せめてセグメントとターゲットくらいはきちんと定めて、実行しなきゃロストが増えていくだけだと思うんですよ。そりゃあ数字、効果が明確になるのは担当者にとっては怖いものです。だけど、そのくらいシビアにやっていかないともう無理が来ると思うんですよね。
 
怖さってなにかといえば、評価だったり、失敗に対する組織の対応です。これは減点方式の組織だととても怖い。
 
費用対効果を明示化できる組織ってのは、成功も失敗もきちんと数字分析をおこなって仮説検証できる文化をもっている組織です。無事に事故なく運用できることはすばらしいけれど、地域の観光産業を経済影響をおよぼすまでに高めていくのなら、こうした組織体制づくりはとても重要視しなきゃいけない。これはもう企業文化の話になるんですよね。
 
それと、現状の把握。入り込み人数もそうだけど、滞在時間や消費金額、満足不満足をしっかり数字として把握すること。数字をベースに改善案をかんがえていくこと。ここがないと、広告代理店におかねを払い続けるだけだよ。

観光協会の運営費の一部が補助費で成り立っているのなら、使われているお金の一部は税金。せめて効率化を意識するとか、マーケティングプランはきちんとたてたほうがいいんじゃないかな。一回の滞在時間を現在より伸ばさなきゃいけないし、そのための施策も必要になる。宿泊してもらうにも理由が必要だし、滞在時の快適さも整備していかなきゃいけない。

なにより「この街にやってきて良かった」と思ってくれるような 『ファン』をつくることが産業には重要だけど、それを意識してできているところはどのくらいあるんだろう。

自然がある。美味しい幸がある。温泉がある。おもてなしのこころ。いい人がたくさんいます。そんなの全国あちこちがPRしているんだから。
 

dimitrisvetsikas1969 / Pixabay
 
ぼくは組織人事関連のしごとも多くやってきたので、どうしても人の個性とか企業風土、企業体質ってものに着目しながらはなしを進めていくんだけど、観光産業を根付かせるには「正論」だけじゃなく、組織開発も同時にすすめないといけないのかもしれませんね。

 

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