KGIとかKSFとかKPI設定のこと:収益化を狙うために目標値を設定する

何度かこのブログでも日常的なタスクについては目標設定をすること成果は数字で測る事が重要で、特に中小企業はブランディング効果を狙うなどと言わずに事業の成果を追うことが必要だということについてエントリーしてきました。

KPIは達成目標なのか

では具体的な数字とはどう設定していくのか。
つまりどうやってKPIを立てていくのか。
或いはKPIが全て正しいのか?という疑問が出てくると思います。

ぼくが以前東京で経営を行っていた際は、プロセス管理をKPIで(数字を)マネジメントすることを決めて月間単位で確認をしてました。

「KPIは達成予算目標なのか」
と言われればそうじゃなくて。あくまでも予算目標数字に到達するためのプロセスをチェックするための数字です。

予算目標を更に日常業務に落としこむ

大雑把にいえば
KPI⇒KSF⇒KGI
という数字情報を設定していきます。
KGIを決めることで、KSFが出てきて、それを更に因数分解していくとKPIが出る仕組みです。この覚えにくい三文字省略語を説明すると以下になります。

KGI(Key Goal Indicator)

事業成果を数値で示したものです。
わかりやすくでいうと、売上高や利益額。あるいはみなさんが持つ月間数字目標や部門全体の数字目標、全社での数字目標などを指します。

KSF(Key success factors)

事業を成功させるためにキーとなる要因です。この要因を揃えていくことが目標達成のために何をやるのかに該当します。
つまりKSFを達成していくことがKGIの達成に繋がっていくという事になります。

KPI(Key performance indicator)

重要業績評価指標(KPI)とは、組織の目標を達成するために重要な業績評価の指標です。これはKSFを達成するために実現しなければならない数字目標です。

ここがほぼ日常的にチェックしている数字ではないでしょうか。
このKPIを軸として事業活動が行われているかを、客観的に把握し、分析し仮説検証を行うためにウェブ解析や、CRMにおけるダッシュボードなどがあると思えば判りやすいかと思います。

このKGIやKPIは組織や事業によって変化します。そこで自分の会社に適した設定を行う必要があります。ぼくは人材紹介サービス(転職支援)を行っていたことがあります。この業界はKPI設定が比較的行いやすいので例にとって書いてみます。

数字の設定方法の例:KSFを設定してみる

人材紹介サービスの事業構造は、CtoBtoBです。

  1. 転職を考えている人に登録を行ってもらう
  2. 企業の採用したい要件と登録された人のスキルと人物像をマッチングする
  3. 転職が決定した場合、入社する企業から採用成功報酬を頂戴する

非常にシンプルな構造です。売上は企業から頂戴するわけですから“人材紹介サービス”となります。

さて数字の規模はかなり異なりますが、判りやすく以下のように仮定します。

条件設定:(x年度の売上高)

  • 売上高:8000万円
  • 入社人数:53.3人(月間4.4人)
  • 売上単価:150万円

この数字予測を踏まえて翌年度は売上高を25%増の1億円とすることにします。
予算達成に向けて何を、どの指標に向かって行動していけばよいのか。その行動を数字目標に落とし込み明示し共有化するものがKSFやKPIです。

まずこのケースでいう売上高25%増加を実現するには3つに分類を行います。

1.成約数を増やす

年間入社人数を53.3人~66.7人にすれば単価が変わらないままで到達します。年間で割ると1.1人の増加。これを毎月やり遂げると売上予算が達成できます。

2.売上単価を上げる

年間人数は53.3人のままですが、販売単価を上げるという方法もあります。売上単価を150万円から187.5万円に上げることができれば売上予算は達成します。

この他にも本当はいろんな要素がありますので物凄い大雑把ですが、ひとまずここまでがKGIとKSFの設定になります。どちらかのKSFを選択するのか、或いはどちらかに偏るのではなく比率を分配させてみるという方法もあります。その場合…

3.成約数も売上単価も増やす

年間入社人数を58.8人、売上単価を170万円とします。この場合月間数は4.4人だったのが4.9人となります。

つまり売上予算増という目標を達成するためには

A)販売単価はそのままと仮定したうえで、成約数を増加させる
B)成約数はそのままと仮定したうえで、売上単価を増加させる
C)成約数、販売単価数をそれぞれ10%~13%増加させる

といった仮説が設定されるわけです。そしてこれがKSFに相当する数字設定です。

数字の設定方法の例:KPIを設定してみる

KSFをひとつひとつ見たときに

A)なら新規顧客開拓に
どのくらいのパワーを割くのか
どういう手を打つのか
どのくらいの見込顧客リストが集まれば
顧客になってもらえるのか
という数字を設定することがKPIになります。

B)の場合は、1社当たりの売上高をあげる施策を打つ必要がでてきますので
成約率や平均価格
或いは顧客との接点
がポイントになってきます。つまりリピート率や成約率、1社当たりの売上単価をKPIにすることができます。

C)の場合は、ひとまず(A)+(B)の情報がKPIに設定されるとしておきましょう。

人材紹介サービスの場合には、この他にも転職希望者に登録して頂く必要があります。このプロセス管理に関してKPIやKSFを設定している会社が殆どです。

ユーザーからみればキャリアカウンセラーが介在するのか、企業とのダイレクトなやり取りかという違いはありますがリブセンスさんやGREENさんも基本的には同じCtoBtoBという構造をされています。

ともあれ、このKPI数値をもって日報や月報などで数字の動きを把握し(-)となっている部分、(+)となっている部分それぞれの原因と環境条件を把握して分析し、次の行動仮説を組み立てて実行していくこと
これが簡単に言うとPDCAに繋がっていくのです。(ちなみに原因と結果は1対1の関係ではないです)

それでいいのか?

ではこの設定方法が経営的には正しいのか?といえば決してそうではない、と考えられるのがKPI設定や事業計画を構築していく際の醍醐味です。例えば顧客とより多く接触することを増やすこと。
ウェブサイトでいえばPV数、リピート率やページ閲覧滞在時間などをKPIに設定すれば前年度対比は増加するでしょうか?
ブログの月間平均更新回数を昨年度比で倍増させれば自然とトラフィックが増加し、結果としてコンバージョン(問い合わせ)が増え商談に結び付くでしょうか。

勿論そのような結果になることもあると思います。が、それは偶然の結果を期待しているだけでしかなく、よく見聞するような”ブログをたくさん更新しソーシャルで拡散し、バズることを期待する”という戦術のようでいて戦術はない結果になり、かえって評判を悪くするコンテンツが巻き散らかされるだけだと思うのです。(日記は企業のブログ以外でやればいいと思う)

差別化戦略を推進していく

インバウンドマーケティングの本にもでていたり、ビジネス冊子にも何度も書かれているように情報の送り手となる企業は差別化を行っていく必要があると思います。その戦術の戦術がプレミアムコンテンツの作成であったり、画面を介した潜在顧客と継続的なコミュニケーションをどのようなスタンスで行うのか、という具体的な行動に結びついていきます。

差別化戦略とは大雑把にいえばユーザーの心を独占するようなものです。
ユーザーからみて「この会社なら●●●がいい」「この会社だから信頼できる」と思って頂く必要があります。
(参考:真っ先にあなたの会社を浮かべてもらえるように)

同じポジションで同じ戦術で戦っていくと、どこかに圧倒的な優位性がない限りユーザはどうやっても離れていってしまうと思うのです。
差別化戦略は取らず自分たちのやれることを粛々とやっていく」という方々にも時々お会いします。
自分たちのやれることをやっていくんだという事ですよね。これは無策の策という戦術です。

「正直なことをやっていけば、きっと判ってもらえる」
「いいものを作っているから売れる」

という考え方はこれはこれで素晴らしいと思います。理想的だけどウェブがこれだけ発展し、伸びる余地がまだまだある中でこうした考えのみだと傍流になってしまう可能性が高いと思います。企業は継続していくということを前提に
事業を営んでいるものですから変わらないようで変わっていくことを常に考えていくべきではないでしょうか。

昔の時代にあって今の時代にないもの
今の時代にあって昔の時代にないもの
があると思うのです。

現在は「見つけて貰う」ということがBtoCであれBtoBであれCtoCであれ、とても重要なポジションを占める時代になっています。KPIを設計するときには、KGIをみて。また自社の事業方針をみて、自社にあるコンテンツリソースを棚卸し整理しそのコンテンツ資産をどうやって打ち出していくのかというプランニングを行い、それらを目測可能なところまで落とし込んでいく必要があります。それこそが自社が立てるべきKPIになるのです。

KPIという指標からみる必要な要素

KPIは「見つけて貰う」というファネルのPV数、UU数、リピート率。或いはCPAやCPCといったウェブ解析から把握できるものからコンバージョン(問い合わせ)と位置付けているリード獲得。商談に結びついた件数、受注率、平均売上単価、売掛金回収期日、リピート率などのプロセス管理からセールスパイプライン管理までを含めて設定を行い、各種施策の効果測定を繰り返していくことが重要です。

日常業務を営んでいくスキルとしてウェブやメールやアウトバウンドコール等々のコミュニケーションチャネルの特徴やリスクに関する理解。ウェブ構築・運用、セミナー集客、イベントを開催し、告知し集客し運営するスキル、ライティングであったり、SEO/SEMの知識、広告に関する知識。個人情報関連法令の認識と遵守した運営体制、メルマガなどに関する知識。

これらを実行するスキルが必要になってきます。更にはこの中でいくつかの業務ソフトを使用することになりますから使い方も覚えなければいけなくなります。

メール配信システムや、WordPress,MovableTypeなどのCMS、セミナー管理システム。SFAやCRM。Googleアナリティクスを始めとしたウェブ解析ツール。レポート作成のためのExcelでグラフ作成を行ったりピポッド作成スキルも必要になります。要するに地道な作業が8割くらいです。

これらはそれぞれが”XXマーケティング~”というカタチで色々語られています。ひとつひとつを1人が全て理解していくことは中々難しいです。

更には社内のコンセンサスを得るためのファシリテーションスキルも必要。この視点が欠落しているコンサルタントと称している方も多くいます。何よりも重要なのは起きている事象の背景を読み取り分類し企画プランニングを行い実行していく「●●●力」です。これはキャリアマネジメントの世界でいう所の[ワークスキル]というスキルです。

だから最終的には組織の問題になり、経営者の考えの問題になり、採用の問題になってくるのではないでしょうか。

つまりKPIを決めるという事は

「いつまでに誰に何を。どうやってどれだけ売るのか?」というマーケティング戦略の基本設計と「見込顧客は検索して情報を見つけるから、見つけて貰わなければ知られていないのと同じ」という視点がなければ、相乗効果を産み出すことは困難です。

伝えに行くという手法はそろそろ限界点に近づきつつあり、いかにして見つけて貰うためのコンテンツを設計し産み出せるのか、が重要な時期に差し掛かってきています。
※そのおかげで煽り的な見出しが増える。

検索トラフィックの増加を見てみると非常に顕著です。Googleが2011年5月5日に世界中のGoogle検索の利用状況をビジュアル表現したツールSearch Globe (サーチ・グローブ)で見てみると非常に面白いです。

KPIを設定するには、KSFを設定する必要があり、KSFを設定するにはKGIが必要になってきます。この紐づくということを覚えておくと、目安が目安でなくなり、しっかり事業の成果と結びついた目標に近づいていきます。

そのことは数字が単なる数字ではなく、方針に基づきブレイクダウンされた数字であり、更には仮説に基づくモノで、達成/未達いずれの場合にも原因をしっかり見極め、新たに仮説設定を行うことが出来る組織になっていくための第一歩になるということが組織に浸透し始めていきます。事業を行っている以上、数字から逃げちゃあいけません。

KPIを設計して、設定し更に日々チェックを行っていくことは地味だけれど非常に難しいものですよね。でもそれが事業の成果を出すことに結びついていくことはよいサービスを提供し続けていくためには健全に健全な収益をあげていかなければならないという事にも紐づいてくると思うのです。

 

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