再現できないことは偶然で 再現できることを科学という

ハーバード・ビジネス・レビューに面白い翻訳記事が載っています。

顧客体験のインパクトは数値化できる

 
ザッポスが話題になったときも感じたことなのですが日本企業のサービス品質ってそもそも高水準だと思うのです。でもユーザの要求が行き過ぎてしまって、結果としておかしなことになっているケースも感じることがあります。でもここに書かれているようなこと。

以下は、取引型事業において、リピート購入を促すその他の要因(例:その製品やサービスを顧客が必要とする頻度)を調整したあとの結果である。過去に最もよい顧客体験をした購入者は、最低の経験をした購入者より140%も多くの金額を費やしていた。

 
「ありがとう」をたくさん言われるようにしようというモットー(ポリシー?)を掲げている企業を見かけることがあります。でもお客様から「何回ありがとうって言われたか」をカウントしたりKPIになんてしないと思うんですよね。

ポイントはここ。

過去に最もよい顧客体験

なにと比較しての体験だと感じているかが大切です。自社で嫌な思いをしたユーザが、リピートする可能性は低いと仮設するなら「他社と比較して」という但し書きがつくと思うんです。
 
そこではじめて「ありがとう」をたくさん言われるようにしようということを実現するために、具体的にどうするのかって議論になる。そうなるといつもでてくるのは

「それをやったら儲かるの?」「成果の事例はありますか?」
なんです。
 
このなんともやりきれない根深い言葉については、じつは人に対する投資も同じなんじゃないかと最近感じています。
 
By: d.loop
 

顧客体験の向上に投資しない当然の根拠としてよく耳にするのは、「コストが高くつく」というものだ。しかし企業幹部と話してみると、往々にして逆のことを聞く。つまり、素晴らしい顧客体験を提供すると、サービスのコストが以前よりも実際には減少するというのだ。不満を抱えた顧客は、結果的に高くつく。返品が増えたり、サポートが必要となったりするからだ

昨日日経ビジネスの
異説異論 塚越 寛氏[伊那食品工業会長]を読んでいました。

伊那食品工業については本を読んでいるんだけど、年輪経営っていい言葉、表現だなあと改めて思うんです。

そもそも人件費はコストでなく会社の目的そのものだ

ってのもいいですよね。
 
最近人事領域のお手伝いをさせてもらっているのですが、上場企業の開示情報をみているとなぜか人的投資についてはCSRに位置づけて開示する企業が多いんです。CSR=社会的義務と考えている時点で何か立ち位置が違うと感じるんですよね。独立したコンテンツとして明示しているのはいまのところ(60数社をチェックした範囲)では2社くらいでした。
 
冒頭に結論めいたというか、ヒントになりそうなことが書かれています。

顧客体験を重視する理由は多分に、「それが正しいことだから」という直観に根差したものになりがちだ。すると、顧客体験の優先順位を決めるのは数字ではなく人の議論でしかない、という問題が生じることになる。

 再現できないことは偶然で。再現できることを科学という というニュアンスで捉えてみると、きちんと戦略的にというか想定を行った上で顧客サービスに取り組まない限り経営品質は上昇していくわけがないよね、って話になりますよね。まぁこうした考えで取り組む経営スタイルが好きなんですけどね。
 

 

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